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2017年2月15日水曜日

再度沖縄の領有権について考察する

既に、この問題は2度ブログに書いている。
http://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/42925115.html
http://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/42925514.html
そこでは、サンフランシスコ平和条約の3条(補足1)と沖縄返還協定(補足2)を読むだけでは、明確な答えが見つからないと書いた。サンフランシスコ平和条約には以下のように書かれている。

“日本国は、北緯二十九度以南の南西諸島(琉球諸島及び大東諸島を含む。)孀婦岩の南の南方諸島(小笠原群島、西之島及び火山列島を含む。)並びに沖の鳥島及び南鳥島を、合衆国を唯一の施政権者とする信託統治制度の下におくこととする国際連合に対する合衆国のいかなる提案にも同意する。このような提案が行われ且つ可決されるまで、合衆国は、領水を含むこれらの諸島の領域及び住民に対して、行政、立法及び司法上の権力の全部及び一部を行使する権利を有するものとする。”

合衆国による国連への提案がなかったので、沖縄や小笠原諸島の領有権は中途半端な状態に置かれているという見方もありうる。サンフランシスコ平和条約の第一条bに“連合国は、日本国及びその領水に対する日本国民の完全な主権を承認する”と書かれているので、講和条約後も主権がなかった沖縄や小笠原は、この条約に於ける日本には含まれていないことになる。

そこで、引き合いに出されるのが、1962年3月19日に出された米国ケネディ大統領による声明(補足3)である。これは大統領令10713を改定するために出された大統領令11010に関する声明であり、日本の「琉球諸島に対する潜在的領有権を第二次大戦後も日本が継続して有していた」という主張に対してどの程度の根拠を与えるのかは、素人である私にはわからない。

この声明は、沖縄の米軍基地の機能を確保するための大統領令の趣旨を説明するために出された。その中に以下の文章がある。“I recognize the Ryukyus to be a part of the Japanese homeland and look forward to the day when the security interests of the free World will permit their restoration to full Japanese sovereignty.” 「私は琉球諸島が日本人の祖国の一部であると認識しており、自由な世界の安全保障上のinterestsが日本主権の完全回復を許す日を楽しみにしている。」(interestsをどう訳すか難しいので原語をそのまま残します)

サンフランシスコ平和条約に中国が署名しているわけではないので、この問題が深刻化するのを防ぐ為に、日中平和友好条約に沖縄や尖閣諸島の領有権を日本に帰属させる条項を、絶対に入れるべきだったと思う。

しかし、日中平和友好条約(および日中共同声明)には、日本の領有権の範囲は全く触れられていない。勿論、日本は沖縄や尖閣諸島の領有権を日本に帰属させる条項を入れたかった筈であるが、それが出来ていない。中国の国力が非常に脆弱であり、日本の経済援助が非常に欲しかったのだから、粘り強く交渉して何が何でもこの件を日中間で解決すべきだったと思う。

勿論、日本は当然、潜在的領有権を主張すべきであるが、それは米国との友好があって初めて可能だろう。

引用文献:
1)Treaty of Peace with Japan (サンフランシスコ平和条約)
http://www.ioc.u-tokyo.ac.jp/~worldjpn/documents/texts/docs/19510908.T1E.html
対訳版(在る方のブログより)
http://www.chukai.ne.jp/~masago/sanfran.html
2)琉球諸島及び大東諸島に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/bluebook/1972/s47-shiryou-4-1.htm
3)99 - Statement by the President Upon Signing Order Relating to the Administration of the Ryukyu Islands. March 19, 1962 http://www.presidency.ucsb.edu/ws/index.php?pid=9114
4)日本国と中華人民共和国との間の平和友好条約
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/china/nc_heiwa.html

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