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2017年2月25日土曜日

大学授業料無償化などすべきでない

1)今日の読売新聞朝刊4面の記事に関して、一言。 
自民党が大学授業料の無償化を考えている。その出発点は、安倍総理が今年一月に出した施政方針演説にある。安倍総理は、「誰もが希望すれば、高校、専修学校、大学に進学できる環境を整えなければならない」と語り、無償化に意欲を示した(読売記事)。大学無償化には3.5兆円ものお金がかかり、財源の問題で議論されているという。 

私は大学授業料無償化には反対である。それを実行すれば、大学は放漫経営に陥るだろう。今でもレベルの低く、無くても良い大学が山ほどあるのに、どうするつもりだと言いたい。日本はものづくりの国だというのなら、高校卒業後直ちに職人修行に入る人間なども必要だろう。先端技術を育てる一方、今しばらくはこの種の伝統技術の伝承にも資金を出すべきである。 

東芝やシャープの体たらくは、人作りが大事なことを示している。しかし、それは優秀な人を作ることであり、大卒の履歴を持っているが勉強などしなかったというレベルの人間を大量に作っても仕方ない。(補足1)安倍総理は、授業料を無料にするということを、経済刺激策の一つにしたいのだろうが、それは浅はかでは。財政支出はインフラ整備など、実際の投資(ある程度以上の乗数効果の望めるもの)にすべきだと思う。 

2)大学無償化よりも、大学生に勉強させることを考えるべきである。それには大学の講義をもっと面白くすることが大事である。講義を面白くするには大学教授の教育者としてのレベルを上げなければならない。レベルを上げるには、専門研究だけではなく、その学科が受け持つ全分野をしっかり教官自身が自分のものとすることが大事だ。しっかりと理解した知識だけが、学生の頭にスムースに流れ込む。(補足2)

そのため、研究と教育の分離、そして、大学と大学院の完全分離が有効だと思う。

大学や大学院での教官評価を、論文の数(論文誌のimpact factorも意味がない)で行うのも止めるべきである。論文での評価なら、論文のオリジナリティと質が大事である。それに加えて専門分野でのディベート力を評価に入れるべきである。大学などで一流の教官になることは、専門分野の研究で世界一流になるのと同程度に困難なことだと思う。 

大学は授業料をたっぷり取れば良い。それで学生を集められるような大学になるべきだ。そして、その代わり大学の特に後期課程や大学院の奨学金を充実させ、大学生にもっと勉強させることが大事だ。奨学金の選考には所属する大学と、それまでの課程の成績を判断基準にすれば良い。

補足:
1)これに関して改善しなければならないもう一つの問題点は、日本の人事のあり方がである。その原因にあるのは、労働力の流動性が極めて低いこと、更に、その根本には日本の労使関係の文化がある。つまり、日本の労使の関係は、労働の対価として賃金を支払う関係でなく、親方と家来の関係であるということである。仕事帰りの一杯は、その親分子分の関係と兄弟関係の確認である。
2)研究を優先すると、普段はせまい専門分野の中に閉じこもり、毎年授業の前に相当の準備が必要となる。資料を見ながらの講義ではスムースに知識の伝達ができないだろう。

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