野生の原理は、強いものが残り弱いものは滅びるという生存競争の原則である。そこには善悪や正邪はない。国家間は、本質的にその野生の原理が支配している。国際法という申し合わせは、「法」ではない。「法」には、権威と権力が背後になければならないからである。
つまり、北朝鮮が日本国民を拉致したと、国際法違反だとか言って騒いでいる連中は、本当は何も分かっていない。自国民を守れなかった日本国が悪いのであり、取り返すべく戦わなかった日本国が悪いのだ。約束違反だという場合の根拠とすべき、日朝条約もない。国連憲章に違反すると言っても、国連軍は動いたか?動きはしない。つまり、国連は仲良しクラブに過ぎないのであり、国際法を法たらしめる権威も権力もないのだ。
日本国民だけでなく、政治家(外国の意思で動く人を除く)も殆どが、その原理原則が判っていないようだ。政治家で、何かあると国際法を持ち出す連中は、それが判っていないことを白状しているのだが、同様に判っていない人間には気づかれないだけである。
安倍総理が「北朝鮮へ圧力と制裁を」と国際舞台で各国首脳を説得しているのは、日本政府の発言として非常に違和感がある。それは、米国指導部の総意として、日本政府に核兵器を装備した独自軍を持っても良いという意思表示をし、それを予め国際的に明らかにしていないからである。(補足1)
もし、米国が言うように北朝鮮が中距離核ミサイルまでを持っているのなら、日本国に北朝鮮軍とまともに戦う力などない。日本国民の1000万人が殺されても良いという覚悟を持って、米国の下働きをしているのだろうか。安倍総理はその点を十分承知していないのではないかと、国民の一人として危惧する。
トランプ大統領が、「日本は武士の国だから自分で北朝鮮を叩く可能性がある」と中国向けに言った。しかし、新聞などでは、これが重大発言のようには取り上げられていない。もし、米国が中距離までの核ミサイルを北朝鮮が既に配備していると考えているのなら、その発言は日本国民の米国への期待を裏切るものである。
それらのことを総合すると、馬渕睦夫氏がチャネル桜などで言ってきたことは間違いだということになる。つまり、トランプは日本にとって歓迎すべき大統領ではない。そして、トランプの下で働いている様な安倍総理の発言は、日本の総理としてふさわしくないことになる。
今回、あまり長い文章を書く気がしない。以下に引用の伊藤貫氏と西部邁氏の討論の動画を見て欲しい。伊藤貫氏の本、例えば「核武装なき憲法改正は日本を滅ぼす」(正確ではないかもしれない)などを既に読まれた方にも、推薦する。
伊藤貫「米国は中国人朝鮮人が核をもっても日本人だけは絶対ダメ」と題する動画:
https://www.youtube.com/watch?v=2JV_UPDjW0U&t=651s
それに伊藤貫氏の出演する同じシリーズの動画:
https://www.youtube.com/watch?v=Xx_tsuvu9i4 など、勉強になる。
補足(追加:11月14日早朝)
1)ルトワック氏か誰かが、(アメリカの利益を考えて)核武装ではなく敵基地攻撃能力が大事だとテレビか何かで言っていた。しかし、それを日本人は信じてはならない。核武装は使わなくても効力を発揮するが、敵基地破壊能力は使わなくては何の効力もない。その効力の差は、前者が人民に直接恐怖を与える能力があるからだ。
0 件のコメント:
コメントを投稿