「アポロ計画陰謀論のウソ」と題するインチキブログがあったので、紹介する。https://matome.naver.jp/odai/2147856572723596101
政治的目的で書かれているようで、理系人間の私からみれば、説得力など皆無である。それでも、(アポロ計画、陰謀論)でグーグル検索すると、ウィキペディアの記事の次に出て来るので、敢えて反論する気になった。因みに、私はアポロ11号で人が月に送られて帰ってきたというのはウソであると思うので、その根拠を下の記事としてまとめた。
http://rcbyspinmanipulation.blogspot.jp/2016/12/11.html
ここで議論するnaver.jpというサイトにある記事では、怪しげな論理を使いアポロ計画で宇宙飛行士は月面に立った筈だと訴えている。箇条書きに、可怪しい(可笑しい)と思う点について少しだけ指摘しておく。
1.ブログ記事の表題「アポロ計画陰謀論のウソ」は、何か変である。アポロ計画は米国の巨大国家プロジェクトであり、陰謀ではない。
2.「今、月に行けない理由は、膨大な資金が必要だからである」と書いている。アポロ計画の予算は250億ドルで、それは現在の貨幣価値で1350億ドルになると試算し、それだけ高額な予算がかかるので、今では月に行けないというのである。しかし、アポロ計画の費用の殆どは、技術開発の費用の筈である。そこで集積された技術を再現して一度だけ月に行くのなら、アポロ計画の予算の数%の資金で可能だろう。こんな誤魔化しをするのは、政治的動機で書いたからだろうと思う。 (補足1)
3.宇宙飛行士が月着陸をしたという発表がウソであるという主張を始めたのは、“地球は球ではなく聖書にある通り平である”と主張するキリスト教の一派であると書いている。
この“アポロ計画で月に人が立った”というのは捏造であるという説で、まともに取り上げるべき最初のものは、ロケット開発の会社に勤務していたビル・ケーシングの本(1976年)だろう。そして、重要なのはそれを取り上げ且つ独自の情報を収集して「人の月面着陸は捏造である」と論じたBBCの放送である。
ここで記事を終わっても、上記サイトの記述が科学的議論の対象たり得ないことが分かるだろう。また、ダラスでアポロ計画を始めたケネディ大統領が暗殺されたが、その時にケネディ大統領は宇宙人の存在について演説の中で喋る予定をしていたという。その意図について10月27日の本ブログに書いたが、それは「アポロ計画」を知る重要なヒントになると思う。
4.月面に残されたくっきりとした靴跡の問題については、「水も空気も存在しない月面の砂(レゴリス)は、粒が細かい上に侵食を受けていないため丸まっておらず、地球の砂に比べて非常に固まりやすい性質がある」と書いている。
月の砂“レゴリス”で実験した様な記述である。筆者が飛行士なら、その特殊な砂を1g程持って地球に帰る。何故なら、あのような靴跡は、砂粒子表面の界面張力と水の表面張力の両方が、働かなくては出来ないと考えるからである。それら界面張力の働きにより、水を介して密に接触した二つの砂粒子が容易に離れられないからである。
仮に砂粒子が丸まっていなくても、あのような靴跡は出来ない。これは物理化学的考察である。反論があるのなら、同じく物理化学的にすべきである。また、砂を靴で踏みつけた時に静電気が発生すれば、それは靴跡を崩す働きをするだろう。
5.https:www. flick.com/というアドレスにあるアポロ計画の書類を紹介している。何故、NASAのアーカイブを紹介しないのか。NASAのホームページのかなり下の方のディレクトリにアポロ計画の成果が紹介されている。しかし、データの数、写真の数は非常に貧弱であり、人類初の月面着陸という誇るべき成果にふさわしくない。
6.バン・アレン帯については、ロケットで無事通過できる可能性があると思うので、私は議論しない。
7.アポロ宇宙船の着陸跡の写真を紹介している。それに十分説得力があるのなら、アポロ計画での発表を疑う議論はなくなるだろう。しかし、写真の捏造など、だれでも出来る。また、「月の石」についての議論で、表面に微小なクレーターらしきものが見えると書かれている。しかし、このブログの筆者が屡々引用しているウィキペディアで「月の石」に関する説明を見たが、そこにはそんな写真はない。
尚、上に紹介した私のブログ記事では、NASAの発表した画像にある地球の半円形の像と、着陸地点で建てた星条旗の旗の影の長さが矛盾することを示した。http://rcbyspinmanipulation.blogspot.jp/2016/12/11.html
補足:
1)ペンス副大統領は今年(2,017年)10月に、再び人を月に送ると表明した。http://sorae.jp/030201/2017_10_06_nasamoon.html
アポロ計画後21世紀に入ったばかりの頃に一度、米国は再び月に人を送ると発表したが、中止になった。今回は是非やってもらいたい。1960年代に蓄積した知識が本物なら、予算的にも技術的にも簡単に行ける筈だ。
0 件のコメント:
コメントを投稿