前回、日本政府は新型コロナ死者数を誤魔化している可能性が高いという内容の記事を書いた。それをリブログされた方が、私の記事内容を疑わしい説として紹介されているのは意外だった。=>リブログ記事
前回記事で紹介した論文は、東大や慶応の研究者も参加している国際的チームが行ったデータ解析の論文であり、LANCET論文と雖も信憑性が高い。(補足1)そこで、補足記事を書くことにした。
新たに文章を書くもう一つの動機として、隣国韓国ではオミクロンに対する感染数が爆発的に増加しており、人口当たり日本の20倍以上だという事実がある。3月23日にも49万人(人口は5100万人)の感染者を出している。韓国は真面目に対応しているが、一方日本は非常に不真面目というか途上国的対応であり、この日韓の差が非常に気になるのである。
残念ながら、新型コロナのデータに関しては、2年前から韓国の方が日本よりも遥かに国際的信用は高いだろう。ダイヤモンドプリンセス号での感染者に対する対応ミスで、「日本は先進国ではないのでは?」という疑いを世界に広げた。それに対する感情的反感が当時あったのだが、今年のオミクロン株への対応を見ると、日本政府や日本のマスコミには信用回復の気持ちがないようだ。
以下本論:
感染症対策の基礎には正確なデータが必要だが、そのデータ取得の段階で日本政府はまともな対応を放棄している。それにも拘らず、来年4月から4回目接種を始めるなどと話を発表する姿勢は、単に米国製薬会社に奉仕するためなのかと疑う。
下に示したのは、厚労省発表のPCR検査数と陽性者数のデータから陽性率を計算しグラフ化した図である。今回はこの図を示し、若干のコメントを追加することでこの補足記事を終わりたい。
データ元:https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/open-data.htmlにアクセスして、pcr_tested_dailyとnewly_confirmed_cases_dailyというファイルをダウンロードし、それを表計算ソフトにコピーして処理する。図の値は、各月の陽性者数の合計をpcr検査数の合計で割り算して求めた。(3/25/pm 2:40追記)
オミクロン感染が本格的になったのが2022年1月中旬であったが、検査数が感染者数に比例して増加していない。感染者数が100人程度の昨年11頃でも10万人程度を検査していたのだが、今年2月、感染者数7−10万人が続いていたにも拘らず検査数が30万人に満たない(平均27万余)。
勿論、オミクロン株では重症化の率が低いことや、病院が入院者数の増加で医療崩壊する可能性が高くなるという理由から、検査の範囲を抑えるのは、泥縄式対応としては分からないわけではない。しかし、感染者数を公表する際には、十分にその意味の変化を国民に説明しなければならない。その努力が全くなされていない。
このように陽性率の大きな変化は、多くの感染者を見逃していることになり、日本政府発表の感染数や死亡者数の信用度が、先進諸外国の発表値と比較して極めて低いことを意味する。(補足2)そのことに言及しないで日々感染者数を垂れ流すマスコミは、プロパガンダ機関なのかと疑う。
今回は、オミクロン株の流行以来の行政の対応変化とその根拠(法令や省令の改正など)の調査はしなかった。検査陽性率だけを示して、日々マスコミが発表する感染者数や死者数に関する信頼度が低いことを示す一つの証拠として提供することだけで終わる。
補足:
1)この論文誌は世界の一流医学誌であるが、コロナに関しては政治利用されたようである。従って、医療関係者以外には信頼度に疑問を持つ人も多いだろう。政治利用の例を以前の記事から示す。
ただ、医学誌としては5本の指に入る一流雑誌であることに変わりはない。
2)感染者数の信頼度は、被験者を無作為に多数抽出して、低い陽性率となった場合に大きくなる。濃厚接触者や症状を持つ者に限って検査する調査でも、陽性率が非常に低い場合には一定の信頼度があるだろう。しかし、症状を持つものとその周辺に限って行う検査で陽性率が高い場合には、得られた感染者数には信頼度はない。
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