松田学元衆議院議員のyoutubeサイトで、自民党中堅議員の城内実氏をゲストに招き、ウクライナ戦争などについての議論している動画が配信されている。それを観て、自民党の中堅議員のレベルがあまりにも低いのにびっくりした。それと、自民党の公式見解を出てはならないという姿勢は、党議拘束という日本の政治の悪弊とともに、ウンザリさせられる。
城内議員は、自由民主党所属の衆議院議員(6期)で元外務官僚。現在、衆議院外務委員長で56歳。父親は元警察官僚で、1992年警察庁長官、1995年 在ギリシャ日本国大使館特命全権大使。親子代々の霞ヶ関住民なのだろう。
『城内実議員に訊く!ウクライナ危機。与党議員としてどう見ているのか?』
城内議員のウクライナ戦争に関する話の中に、オレンジ革命(2004)やマイダン革命(2014)と言われる米国のこれまでのウクライナ政治に関する関与が全く出てこなかったことに驚いた。
それとなく米国資本のロシア権益を握ろうとする姿勢に反発したプーチンと、NATOの拡大とロシア潰しを考える米国の話は出てくるが、それもyoutubeで俄勉強をした成果だろうと疑う。城内氏の杓子定規なプーチン攻撃の姿勢は、9割方「ウクライナ侵略は国際法違反であること」を根拠にしており、さすが警察官僚の子であると思う。国際法は、個人で言えば口約束レベルのもので、権威も権力も無いことは知っているのだろうが、その知識の底は非常に浅いと思う。
「泥棒にも三分の理」とは、安定で豊かな国の不幸な逸れ者を、富者である支配者が裁く論理である。その同じ論理が、貧困で世情穏やかならざる国では、「善人なおもて往生をとぐ、いわんや悪人おや」に変化することなど、想像すらしていないだろう。
つまり、国際社会は豊かで安定な国内とは程遠い。しかし、日本は豊かな安定な現在という瞬間を享受しているので、今回のプーチンの国際法違反には、「泥棒にも三分の理」を恥ずかしながら適用させてもらう位の後ろめたさがあるべき。
そのくせ、プーチンの視点で考えることも大事だと政治家的言い訳をおこなっている。グローバリストとナショナリストの戦いという面にも触れているが、新聞の表題だけを読むように、youtube動画を予習した成果なのだろう。
2)日本のデフレ経済について
城内議員は、「責任ある積極財政を推進する議員連盟」の幹部だそうだが、自分が若手なのに「若手の人が頑張っているので、なるべく口を出さずに色んな形でサポートしせていきたい」なんて言うのに呆れる。(動画の終わり近く)
「自国通貨だての国債が発行でき、それを日銀が引き受けてくれる限り財政破綻はない」なんて、「借金の証書に、返金は俺の財布から出来るだけする」と書くのと同様である。もし、日銀がまともな株式会社なら、社長は今でも日本国債は値下がりの危険が大きく買い取りませんと言うだろう。
国民の預金が紙切れになるようなインフレが起こることなど、どうでも良いのだろう。松田議員(元財務官僚)も民間銀行での信用創造が大事だなんて言っているが、利率が低いのだからお金に対する需要がないことを忘れているのか? 重ねて言うが、これ以上の財政拡大は、猛烈な円安とインフレで国民の預金が紙切れになる道である。そんなこと、お金持ちにはわからんのだろうか?❗️ そこで以下のようなコメントを書いた。
「積極財政で日本の経済成長が再開するなんて、バカの言うことです。労働生産性の向上を忘れて、安易な MMT(注:米国左翼の貨幣理論)のような道を考えるのは、財政破綻はしないが途上国へ逆戻りだ。自民党中堅議員のレベルはこの程度なのか。
ウクライナ戦争でも、プーチン側の視点も大事だとか、グローバリズムとナショナリズムの対立などとおっしゃるが、それらは習わぬ経を読んでいる感じ。グローバリズムと民主主義の関係は? グローバリズムと言っても、ワシントンコンセンサスとかいうものが背景にある経済体制で、単に経済の地球規模化ではない。」
youtubeのコメント欄だが、ヨイショコメントばっかりでウンザリする。私のコメントに同意してくれる人は1%以下だろう。
補足: ウクライナ戦争の件、佐藤優氏により、外交官としてロシアに長期滞在した経験を基にした、ロシアの大国主義が一つの原因であるという説得力のある解説が、月刊誌「Hanada」5月号に掲載されている。同じ国際法違反でプーチンを裁くのなら、この程度の議論が欲しい。中国も似た様な大国主義(中華思想)を持つので、日本とウクライナは、本当に地政学的に類似している。
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