「日本企業では役員室に幽霊がでる」と題するウォールストリートジャーナル(WJ)の記事が、今朝のモーニングサテライト(テレビ番組)で紹介された。早速読んでみたので、自分のコメントと伴に紹介したい。
WJの記事は、東芝の不正会計問題が経営者達の造る日本独特の社会構造に関係があるのではないかと指摘している。記事の表題は、それを揶揄したものである。
記事は最初に、日本郵政の社長で元東芝社長の西室泰三氏(その後会長に就任し、10年前には会長も退任、以降は相談役;下図参照)が、未だに東芝に強い影響力を持っていることを紹介している。
それによると、日本郵政が準備した記者会見において西室氏は、会長を辞めたいと相談に来た室町正志氏(注釈1)に、相談役の立場から強く慰留したと喋っている。その結果、室町氏は会長にとどまり、今回臨時社長に就くことになった。
他国では、退任した元役員達は、孫と過ごし、ガーデニングやゴルフを楽しむのが普通だが、日本の役員達は決して元の仕事場を離れないのである。
経済アナリストは、この先輩達のネットワークが何時までたっても社長の上におおいかぶさることが、日本企業の変化が遅い原因であるとコメントしている。実際、日本の大企業の80%以上は、執行部に居たもの達が相談役などで雇用されているという。つまり、同じ様な問題を多くの企業が抱えているのである。
何故、この様なことになるか? 何度もこのブログで書いて来たが、日本社会の特徴が根本にある。つまり、日本では、討論で物事を決める西欧文化を十分真似る事が出来ず、人と人のネットワーク重視で物事が決っていくのである。勿論西欧でも人間関係は大きな役割を果たすだろうが、社会において論理の方が人間関係よりも重視されるため、必然的に頭のボケる年齢になると、執行部から去ることになるのだ。
つまり、ボケた連中が日本の指導層に居座ることが、日本を停滞に導いているのだ。これは企業だけの問題ではなく、政治の領域でも大きな問題である。年寄りと二世三世が牛耳るのは、実力の世界である筈の芸能界でもにた様なものだから、この社会構造は日本そのものである。日本の停滞は遺伝子的なものとでも表現できる。
そう考えると、ダイヤモンドオンラインに掲載されている「東芝、不正の土壌は“国との蜜月”か」も、驚くこともないと言うことになる。
注釈:
1)この表で室町氏が突如会長として現れるのは、そして、佐々木氏が社長を辞めた後、会長ではなく新設の副会長のポストに座ったのは、西田氏と佐々木氏の確執が原因である。
詳細は、http://biz-journal.jp/2014/05/post_4866.html
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