1)ティラーソン米国国務長官が中国国家主席の習近平と会談した。NHKテレビで放送されたところでは、トランプ大統領と違って紳士的であり、中国も評価&期待しているとのことだった。いつものことだが、NHKニュースは何の情報も含まない。NHKは、ティラーソン国務長官の習近平主席との話し合いで、北朝鮮問題解決について何も達成できなかったということがニュースになるとは思っていないのか、言いたくないのだろう。NHKは日本国民のための放送局なのかどうか、私にはわからない。
3月3日のブログ「北朝鮮の体制転覆は暫くないだろう」で、以下のように書いた。
これまで通り、最終的には爆発する風船を金正恩は更に大きく膨らませるだけであると思う。その風船を割るのは、おそらく中国だろう。米国はずっと前に朝鮮戦争の終結をすべきだった。東アジアに混乱の種を残すという、悪の報いは本来米国が受けるべきであるが、北朝鮮が統一朝鮮になる時、東に逃げるだけだろう。
その際に、第三次大戦にはならないと思う。米国も核戦争は望まないからである。その朝鮮有事の後、朝鮮半島は統一され中華秩序の中に入るだろう。そして、米国は東アジアに残留する力も理由もなくなり、日本は西太平洋の孤児となるだろう。中国と朝鮮にこれまで以上にいじめられ、領土と富を失うようになると思う。出来るだけ早く、日本独自の防衛政策を考えるべきであるし、そのために、国民に広く現在の脅威を、国際政治の真実を知らせるべきだと思う。http://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/43190407.html
ここで、中国と統一朝鮮にいじめられる日本の姿は、韓国のパククネのこれまでとこれからの姿と相似であると思う。彼らには、論理も法による支配もよそ事である。
2)評論家の北野幸伯氏は、メイル記事でティラーソンの中国訪問で北朝鮮問題に進展はなかったと書いている。米国は北朝鮮のICBM関連技術の完成前に、核開発を止めたいのだが、その方法として中国の不介入の確約を得た上で、軍事介入して金正恩体制を崩すことを考えている。その上で、米国を中心とする米中露の信託統治にしたいのだろう。単に金正恩を倒すだけでは、何の解決にもならないからである。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20170227-00051039-gendaibiz-bus_all&p=1
そのプランが不可能だと判ったとき、トランプ大統領はどのような手を考えるだろうか? その答えは一つしかない。北朝鮮の承認と経済援助と引き換えにICBMの開発をしないと約束させることである。そして、経済援助は日本に丸投げすることになり、日朝関係の改善は小泉政権時代の段階に戻ることになる。
あの時なら、日本を核ミサイルで攻撃する能力を持たない北朝鮮が実現したかもしれないが、今は違う。日本が北朝鮮へ経済援助をする理由はない。経済協力するのなら、米国による小型核技術の完全供与を条件とすべきである。しかし、安倍政権やその他の政権では、そんなことはできそうにない。
北朝鮮はその米国の現実的な取引には乗るだろう。米国が北朝鮮を国家として承認すれば、ICBMなんか重荷になるだけで不要である。米国のトランプ大統領は元々孤立主義的であるから、ホワイトハウス自体には大きな抵抗はないだろう。小型化した核兵器は対日本や対中国の戦略として残り、北朝鮮にとって残る課題は、経済復興と合併という形での韓国併合だけである。
ティラーソンはその案を習近平には示さなかっただろう。それを示せば、習近平は悩むかもしれない。何故なら、北朝鮮との関係は江沢民派が強い北部戦区が握っており、習近平は元々この問題には弱いからである。(補足1)
3)そのような米朝講和の方向に決まった場合、日本は米国の命令で日朝講和(日朝基本条約と一兆円規模の経済協力)の話し合いを同時進行的にするだろう。その後、経済発展した北朝鮮は左傾化した韓国と統一することになると思う。
そして、米国は防衛ラインを第二列島線まで下げて、太平洋は孤児となった日本を残して、凪の時代に入るだろう。
ここまでの話に変化が生じるとしたら、日露関係しかないように思われる。昨年の11月に、進まない日露関係に苛立ち、日露関係よりも日中関係を重視すべきという記事を書いた。http://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/43075463.html その後、その稚拙な考えに気づいて、その記事を私の意見としては削除した(記事そのものは残した)。
朝鮮半島が中華圏の中に入り、米国が第二列島線に遠ざかれば、中国の国内政治が利用するのは反日感情である。その中毒から抜け出ることは、第三次世界大戦がない限り永久にないだろう。
もし、ロシアに民族的な反日感情がないとすれば、日露関係が唯一、日本が東海の孤児とならない鍵となる。ロシアはシベリアでの中国との長い国境を維持するためには相当の努力を要するが、それにはシベリア東部での経済開発が必須だろう。地政学的に中露関係が相互に牽制しあう関係なら、日本がその関係を安定的に保存するため協力するのは、悪い話ではないだろう。
日本は以上のような長期戦略として考える以上、国後と択捉の返還は諦めることになる。そのためには、日本政府はサンフランシスコ講和条約の内容を正しく国民に理解させる努力をする必要がある。吉田茂が国会答弁で、放棄した千島に南千島も含まれると明言していることを、国民に周知すべきである。もちろん、ロシアが今後の日露関係を考えて、国後を返還するということになれば、日露経済協力は急速に規模を大きくして進むだろう。
補足:
1)中国はこれまでの7つの戦区から5つの戦区に分けるように変更したという。(川添さんの動画参照)
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