2月13日に暗殺された金正男には、5年前から暗殺指令が出ていた。その暗殺司令のきっかけの一つとなったと思われるのが、G氏という東京新聞の記者が書いた本「父・金正日と私、金正男独占告白」という本だという。金正男にとっては、本の出版は意外で望まないことであり、「ご理解をお願いします。北朝鮮の政権が、私に危害をもたらす可能性もあります」とメイルで出版をやめるようにG氏に依頼した。
つまり、出版など無いという前提で、報道人であるG氏へのインタビューに答えたのだろう。それでも出版に踏み切った真意について、G氏はこう話したという。「彼の立場ならそうでしょう。ただ、北朝鮮が17年間統治した指導者を失い、どの方向に向かうかはっきりしない中で、長男の意見を広く世間に伝えるほうが、意味があると考えました。さらにこの本を通じ、正男氏のイメージが変わり、多くの人が関心を持つようになれば、逆に正男氏にうかつなことはできなくなると思います」
G氏は、「金正男は、本を出すならわれわれの関係は終わりだと言っていました。本への反応はありませんが、たぶんどこかで入手して読むでしょう。そしてまた連絡してくれることを願います」と話したという。http://www.asagei.com/excerpt/3582
そのG氏が、金正男の暗殺後にインタビューに答えている。「残念のひと言です。北朝鮮のことを、あれほど率直に語ってくれる人はいませんでした。それが、こんなことになるなんて……」沈痛な面持ちで語るのは、かつて金正男(享年45)に7時間インタビューし、計150通もメールをやりとりした「金正男の友人」の東京新聞編集委員である。このように記事に書かれている。
「」内に友人の文字が入っているのは、G氏が言っているだけで、だれも友人とは思っていいないからだろう。
これらのG氏の発言とその報道に、人間としての違和感を感じるのは私だけだろうか。勿論、金正男はキム王朝の中にあって、マカオなどで北朝鮮の武器や麻薬などの違法ビジネスで金を稼ぎ、複数の邸宅と複数の女性を囲っている嫌な男であるという指摘が事実だとしても、である。https://news.yahoo.co.jp/byline/ishimarujiro/20170225-00068075/
若干警戒心に薄い注目の男と友人的な関係を築いて巧みに取材し、命が危ないので出版はやめてくれという願いを無視して、金儲けのために出版したG氏。「私はプロの記者でありそれで生きているのだ」と言うのなら、それも一つの生き方だと認めることは可能だが、そうはしないであくまでも友人関係を主張するズル汚さにはうんざりする。
出版する意義として主張した論理、金正男が暗殺されたあとのコメントを聞いて、人の汚さを改めて見た思いだ。
(これは公にされた本の出版趣旨について書いたもので、個人攻撃のつもりで書いたものではありません。)
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