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2018年3月30日金曜日

振り出しに戻ったのか? 北朝鮮の非核化

 金正恩の訪中とトランプによる中国などに対する報復関税の決定により、米国を始め世界の殆どが参加して行ってきた朝鮮半島非核化の動きは、横座標的には殆ど振り出しにもどり、縦座標としての危機は大きく膨らんだ。

今回の北朝鮮問題は基本的には、朝鮮戦争の当事国である米国、中国、北朝鮮、韓国(形式上は、当事国でない)の四カ国の図式の中で考えるべきだと思う。そこで、縦座標を緊迫のエネルギー、横座標を非核化の動きと定義する。

北朝鮮がどれだけ真剣に非核化を考えるかは、金正恩の米中二カ国からの距離に大きく依存すると思う。文在寅が米朝会談に道を開くまでは、金正恩は中国からも米国からも遠い距離に居た。そして、非核化をある程度真剣に取引材料として考えた。

しかし、米朝会談がセットされると、思考の単純なトランプ大統領は周辺を強硬派で固め米国の怖さを演出することで、北朝鮮の非核化が可能だと考えてしまったのだろう。その間違った自信が、次の問題である対中国の貿易赤字に手をつけ始めてしまったのだろう。

この動きで、中国こそ米国の最大の仮想敵国だという本音を中国や北朝鮮に見せてしまった。その瞬間を見事に捉えたのが、金正恩である。習近平に会談を申し込んだ。張成沢と金正男で、自分を葬り去ろうとした習近平に、朝鮮戦争以来の兄弟国に戻ろうと提案したのだろう。

文在寅韓国大統領が行った米朝会談の橋渡しは、一時尾根伝いにしても平和への道に見えたことがあったが、今は蜃気楼だったかのようである。その蜃気楼に惑わされた安倍総理は、日朝会談を行うつもりになってしまったのは、非常に危ないことだろう。モスクワ在住の北野幸伯氏の記事では、日中国交回復の時のニクソンとキッシンジャーの言葉を思い出すと書かれている。 http://diamond.jp/articles/-/165366?page=1

このブログの筆者は、日本は最後まで蚊帳の外であり、最初からそれで良いと考えてきた。そして、独自の核抑止力などの防衛体制を考えるべきだと書いてきた。https://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/43573275.html そのような考えでいれば、文在寅の熱意で南北会談が開催されることになっても、米朝会談が開催されることになっても、自国の防衛に思考を集中できた筈である。

そもそも、今回の米朝会談などは朝鮮戦争の延長上の問題であり、それに参加しなかった日本は蚊帳の外なのは当然である。何故、焦って日朝会談など米朝会談がどうなるかさっぱり分からない段階で言い出すのだろうか。https://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/43594363.html

上記ダイヤモンドの記事で、北野氏は「自己顕示欲の強いトランプ大統領は、安倍総理の抜け駆けを許さない筈」と書いている。なんという情けない内閣と日本の政治だろうか。西部邁氏の言葉jap.comが思い出される。

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