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2019年7月20日土曜日

月面では地表と同じようには歩けない:頭脳に刷り込まれた歩行パラメータを書き換える必要

最近のNASA宇宙飛行士の告白:https://rcbyspinmanipulation.blogspot.com/2019/04/blog-post_24.html

1)歩行は、エネルギー消費をできるだけ避けて、長距離を効率的に移動する方法として人に備わっている。その重要なポイントは歩行の主な要素は重力に支配された振り子運動だということである。振り子運動にはエネルギーは不要であるから、歩くという動作は省エネにできている。従って、歩行で意識の支配下にあるのは:①前方にあった足が踵で着地したのち、体全体の重心を上方に移動する;②後方の足が蹴り上げで地面を離れたあと、振り子運動を開始する;この二つを少しの遅延時間(重心移動の時間)を置いて行うことである。

これを表現したのが次図である。
図の右で、体が真ん中にあるときが重心が一番高い状態であり、それは左の振り子運動をしている足が一番屈曲している真ん中の状況である。重心は赤丸で表現してあり、Δhだけ高くなっている。そのエネルギーの大部分は、後方(右の方の図の一番右端の足)の足による蹴りにより供給される。蹴りは前方にけるのだが、その運動は股関節を支点として、反対側の足(右図で棒線で表した足)を軸とする回転運動で、体を持ち上げるエネルギーに変換される。

ここで、重力に支配されるのは、蹴り上げの力と、振り子運動の周期である。蹴り上げの力は重力に比例する。一方、振り子運動の周期(一歩分の時間)は重力の平方根に反比例する。

数式を用いれば、図の右の重心(円で表記)がΔhだけ高くなるとするには、足の蹴りで、MgΔh だけのエネルギーを供給することになる。Mは体重、gは重力加速度であり、地上では9.8 m^2/sであり、月面では1.6m^2/sである。^2は二乗を意味する。一方、この図で表す半歩分の時間は、T=2π・SQRT(L/g)の半分であり、SQRTは平方根であり、通常は√で表現する。

右の振り子運動のモデル図で、太腿に関する振り子の重心は、ほぼ太ももだけの重心に等しいだろう。それは、蹴り上げから始まる全体の重心移動と膝関節の回転により、膝下部分が太腿部分をほとんど下方に引っ張らないからである。また、太もも部分の振り子運動の周期も、膝関節以下の振り子運動も位相差があるものの、周期そのものはほぼ等しいだろう。

以上から、前回記事では太もも部分の長さの半分を、これらモデルにおける振り子の竿の長さと考えた。もし、背の高い人でこの長さが30cm(太ももの長さの半分位)なら、一歩が約0.55秒、背の低い人で振り子の竿が20cmと短い人では約0.45秒となる。この数値が実際の周期に近いことにより、この二重振り子モデルが支持される。(補足1)

2)ここで、月面歩行を考えてみる。 (アポロ11号の月着陸の捏造説については:ここを参照

月面歩行では、重力が6分の1になるので、地表と同じ距離の一歩とするには、蹴りの力を1/6にする必要がある。一歩の時間も蹴りの時間も長くなり、√6倍(2.45倍)になるので、つま先を着地のために出す時間をそれだけ遅くする必要がある。

従って、地表でゆっくり歩くのと違い、慣れるのには長時間を要する筈である。特に自由な振り子運動は、地表での歩行では意識にほとんどないので、時間を頭で数えながら、あるいは目で太ももの移動を一々確認しながら、着地のために足を出す必要があるだろう。

蹴りの力は、体重と同じ荷物を背負う形でも、尚三分の一である。一方、関節での回転の摩擦は、地表と変わらない。歩行には、これら地表と変わらない部分、重力に比例する部分、重力の0.5乗に比例する部分など諸要素があるため、脳は簡単にはそれらパラメータの書き換えができないだろう。

それは月面にある人に、大きな違和感を与えることになる。それは、青い地球の美しい姿とともに強烈な印象を与える筈である。アームストロング船長の言葉にその実感が欠けている。

前回の歩行モデルの記事:https://rcbyspinmanipulation.blogspot.com/2019/07/11.html をわかりやすく書き直しました。文献等は、前回記事をご覧ください。

そこでも引用しましたが、NASAが公開している月面歩行の動画は、倍速再生すると地表での歩行やスキップに非常によく似ている。例えば、動画の48分以降の数分間の画像を倍速再生してみてほしい。 https://www.youtube.com/watch?v=S9HdPi9Ikhk

補足:

1)不動産屋の広告で、駅から歩いて10分というような場合、通常1分で80m歩くことを想定している。つまり、歩幅70cmなら、歩数114歩であり、歩く周期(2歩)は1.05秒となる。これらの数値は、実際とかなり近い。

追補:

1)走るときには、太ももの前後運動は、振り子運動ではなく意識的に筋肉を前後させて行う。この前後運動の周期と、宙に浮いた体の落下が、同期しないといけないので、月面で走ることも非常に慣れるのに時間を要する。蹴る方向と蹴る力で、落下時間が変化するので、タイミングが合わないのは歩行の場合と同様だろう。

2)ロシアで宇宙飛行士になった秋山豊寛さんに、佐々木敏という方がインタビューして、アポロの着陸捏造説を聞いたという。その記事のサイトを引用します。http://naotatsu-muramoto.info/utyuu/utyuu4.html

3)追追補(7月29日)NASA の現職宇宙飛行士が、現在月に人を送る技術を持たないと告白。https://www.disclose.tv/nasa-astronaut-admits-we-dont-have-the-technology-to-go-to-the-moon-316389

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