1)まえがき
比較的閲覧があり且つ重要だと思われる過去の記事を再録している。以下は、2015年7月6日に投稿した「二枚舌は身を滅ぼす:軍艦島を世界遺産にする為に韓国の言い分を100%認めた日本」という記事である。
このような経緯を経た後に、現在の徴用工問題がある。そのことを勘案すると、法的側面では、徴用工問題の70%は日本側に責任があると結論せざるを得ない。
この日本の責任の大部分は、1990年代の個人請求権を認めた日本政府の発表である。そして、その政府の考えは最高裁判所で判示された。http://justice.skr.jp/seikyuuken-top.html
更にご丁寧に、日本政府自身が、賠償の対象になるような韓国徴用工の酷使が軍艦島であったことを認めたのだ。個人賠償訴訟を韓国で起こす法的根拠も、その賠償対象となる酷使も日本政府が韓国側にプレゼントしているのである。
もし、上記文献の記述が正しいとすると(実際正しいと思う)、外交保護権を行使しての日本企業への賠償要求は、日韓請求権協定で無くなっているが、韓国での賠償要求は出来る。このあたりの議論は、法学が専門でない筆者の実力を多少超えるが、韓国徴用工が賠償の対象となることを訴えておれば、論理的には韓国の裁判所が日本側企業に賠償させるように判決することは可能である。
ただし提訴は、非常に肉体的精神的に辛い仕事につかされたという理由でし、且つ、その精神的な苦痛に、(朝鮮人なのに日本帝国政府の命令に従うという)韓国人としてのアイデンティティに抵触する部分は含まれてはならない。何故なら、法的に当時は日本人だったからである。
そして裁判に日本側が敗訴すれば、日本企業に賠償責任が生じる。たいへん厄介な事になっていると思う。全て、自民党政府のその場しのぎ的姿勢と、行政府に盲従する仕事をまともにやらない最高裁判所判事の所為である。彼ら最高裁判事は、法解釈よりも自己の利益を優先する下劣な連中である。日本が憲法9条を改訂できないのも、彼らが自衛隊は合憲という判断をだしたからである。
韓国が個人請求権を認める立場を取れば、逆に、日本人や日本法人が韓国の国や個人(法人を含む)への請求権も要求できることになる。ただその場合、韓国裁判所は極めて恣意的に韓国人(法人)の利益を考えた判決を出す可能性がたかくなる。そのような場合、日本は韓国と政治及び経済交流を停止すべきだということになる。
両国間に友好関係を保つべきだと思うのなら、韓国は個人請求権を認めない判断をすべきだった。そして、それは国際的常識だと思う。9月10日の記事で紹介したように、BBCのHARDtalkでキャスターが「あなたは植民地支配の時の悲劇的で恐ろしい出来事への補償要求を、2019年の今韓国市民に奨励することを本当に健康的だと考えるのですか? それをすべて蘇らせて掘り下げる価値があるのですか?」と言っている。法的解釈はともかく、真に日韓友好を大事だと考えるのなら、韓国はこの常識的な立ち位置に戻るべきである。
2)再録)二枚舌は身を滅ぼす:軍艦島を世界遺産にする為に韓国の言い分を100%認めた日本 2015年7月6日
昨日、軍艦島などの明治日本の産業革命遺産として世界遺産に申請した諸施設が、ユネスコの審査委員会で認められて、世界遺産に登録されることになった。この件、韓国が「戦時中に朝鮮半島からの数万人が強制労働に従事させられ、94人が死亡した」と主張し、その登録に反対していた。
その審査を有利にするため、ユネスコ日本代表部の大使が「多くの朝鮮半島出身者が意思に反し、厳しい環境で働かされた」と発言し、韓国の反対をそらせる事に成功し、登録が決定した。その後、外務大臣は日本国内に向けて「上記発言は、強制労働があったと言った訳ではない」と注釈している。このようなグレイ領域に話を持ち込んで誤摩化すのは、政治屋の常套手段である。
もっとも大切なポイントであり、且つ、ほとんど無知な西欧人(注釈1)が見落とすだろうこととして、当時韓国は日本国の一部であったことがある。つまり、ここでの朝鮮半島出身者は当時日本国民だったのである。そして、政府の命令で(つまり合法的に)半島から軍艦島のある九州へ移動させられたことを、意に反してと表現して良いのか?という点を日本政府は誤摩化しているのだ。
あの戦争の際、法令に従って徴兵され、南方の島で無惨な死をとげた多くの軍人に対して、“意に反して”兵役につかされたとは言わないのだ(注釈2)。上記ユネスコ大使の発言の“意に反して”とはどういう意味なのか、それに関与した日本政府は深く考えていないのか、誤摩化しているかのどちらかである。
つまり、“意に反して”は、私的な感情のレベルでの“意に反して”なのか、それとも“違法に”というレベルなのかという大きな幅がある言葉なのだ。あの発言を聞いた西欧諸国の人は、“異国の人間を違法に働かせた”つまり、シベリアで日本兵が経験したような”強制労働に従事させた”ととるだろう。それが韓国の狙いであり、その俎板の上にまざまざと乗ってしまったのである。俎板に乗った鯉が、そんな筈ではないと言っても、何の力にもならない。
また、特別に「朝鮮半島出身者」と限定して、「厳しい環境で働かされた」と発言したことで、同じ環境で働いていた日本人とは、労働環境も条件も全く異なるとの印象を強くあたえ、朝鮮半島出身者にだけ特別に厳しい差別的労働が与えられたと解される。軍艦島には普通の街中と同じように学校から種々の店があり、竹田恒泰さんの言葉によると、韓国人用の遊郭まであったということである。http://blog.livedoor.jp/doorkaz/archives/1030715518.html
あのような発言とは全く違うではないか? 世界に誤解を与えてまで、世界遺産指定が欲しいのか?本当に愚かな人々だ。
注釈:
1)ドイツのメルケル首相がドイツがナチスの罪を認めた様に、日本も韓国人に対して犯した従軍慰安婦などの罪を潔く認めて謝罪する方が良いと安倍総理に言ったと記憶している。その際、日本では相当批判が沸いた。
2)韓国もそのあたりは解っているので、徴兵された兵士の待遇に関しては何も言ってこなかった。
補足:
先ほど(2015/7/6)の「昼おび」という番組で、ユネスコ委員会での発言について、その部分についての正本である英語の文章が報道されていた。Koreans were forced to workとなっていて、forced laborという文言は無かったという。検索したときのネットの反応は違うだろうが、forced to workは”強制的に働かされた”であるから、強制労働と等価であると思う。何故、外務大臣は強制労働という意味ではないと言えるのだ。何故、そこまでして登録しなければならにのだ。何故、聞く耳など持たない韓国などと交渉しなければならないのだ。
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