チャンネル桜の水島社長が、中国による日本の属国化の進展を憂い、そして、それに対抗しない安倍政権を批判している。以下に、水島社長の発言内容の概略に、私の想像を含めた解釈を加えて記す。
水島氏は先ず、自分たちの石垣島漁協と協力してやって来た尖閣諸島周辺での漁業活動を紹介している。実効支配の実績をつくるためである。しかし、そのような漁業活動も、現在では中国の公船(多分、領海警備の船)の警備活動により、出来なくなっている。現在では、尖閣近海は、海上保安庁の船と中国の警備船が互いに行ったり来たりして、日本が実効支配する領土でなくなっている。
https://www.youtube.com/watch?v=__plLpNJMFc
自民党は、衆議院議員選挙の公約として、尖閣に公務員の常駐、または公安施設の拡充を約束したが、何一つ実行していない。更に、日本国民が10人以上も、中国に拘束されている。この人たちの拘束理由の説得力のある説明は未だ公開されていないにも拘らず、日本政府は彼らの釈放を要求していない。(補足1)このような情況にあっても、安倍総理は「日中関係は完全に正常化した。これからは発展あるのみだ」と言っている。
日本は昨年10月の安倍総理の訪中以来、習近平の国賓としての招聘など、親中政策を実行している。総理訪中に備えて準備をしていただろうと思われる最中の10月4日、米国ペンス副大統領による“中国との対立を明確にする演説”がハドソン研究所でなされた。
それまで、トランプ大統領なら適当なところで中国に妥協するだろうと思っていた人も多かったので、経済戦争から覇権戦争に変質した米中関係に戸惑っただろう。しかし、これまで積み上げた外交方針を、急激に変えるわけにはいかない。いつもの事なかれ主義で、そのまま惰性で親中の方向に進んでしまった様だ。
ヨーロッパなど世界中の国から、日本は同盟国の米国等を裏切って、中国を相手に金儲けに精を出していると非難されるだろう。米国に対する敵対行為ともとれる現在の安倍対中外交は、第二次大戦のときにドイツと手を組んだときに似ているという人もいる。(北野幸伯氏)
歴史的演説の後の昨年11月、訪日したペンス副大統領に、安倍総理が半月ほど前の訪中の説明をしている。ペンス氏の「米国は、自国の安全保障にとって東アジアが重要であると認識している」という声を上の空で聞いたのか、その意味も確認せず(<=これは想像です)、東アジアを含むインド太平洋構想の実現に向けて、二人の意見の一致を見たような声明を出している。(補足2)総理は、その中での日本の位置について、具体的且つ十分に確認していなかっただろう。https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/actions/201811/13hyokei.html
それから1年経った。一年間で、習近平の国賓としての招聘など、日中関係は大きく前進した。米国は、それでも日本に抗議や重要な問い合わせなど、何もしない。しかし、それは米国トランプ大統領と申し合わせて、中国外交を進めているという事ではないだろう。(補足3)
尖閣に中国軍が上陸した時、慌てて米国に協力を求めても、日本側が自ら招いた事であり、米国は何にもできないというだろう。米国はその瞬間を待っているのだろう。
補足:
1)スパイ活動や薬物所持などの理由は告げられているだろう。その様な場合、日本は抗議する理由はない。中国人が日本国内の犯罪で、日本に拘束されたとしても、同様である。
2)昨年11月に来日したペンス副大統領と安倍総理との会談後の記者会見の冒頭の動画は、最近見つけた。探す努力をしなかったのは、ペンス演説の重要性について十分認識出来ていなかったからだろう。その解釈については、近いうちに書く予定。
3)安倍総理の外交能力はゼロである。それは日露外交で証明されている。おそらく、安倍氏は「外交」という意味を日本の日常語の意味で理解しているだろう。日常語の外交とは、仲良くおしゃべりをすることで、互いに相手の内部に深くは入り込まない。日露外交では、何度プーチンに会っても話が具体的なところに行かなかった。あるのは、笑顔と握手と総論だけである。米国CIAに聞けば分かるだろう。トランプは、安倍氏との話には飽き飽きとしている筈だ。
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