2017年8月5日土曜日

東京裁判(NHK)再放送を見た:東京裁判という茶番

1)NHKスペシャルで放送された東京裁判の第二話(再放送)を見た。そこで、ウェップ裁判長以下11名の判事が「侵略の罪」について、敗戦国日本の政治家個人を裁けるのかという議論がなされていた。

インドのパール判事の「侵略の罪」で個人を裁くことなどできないという主張は最初孤立していたが、やがてオランダのレーリンク判事もその意見に同意するようになる。話は第3話で完結するのだろうが、良い機会を与えられたので、以下に私の東京裁判に関する考えを記す。

結論を言えば、この裁判は法的論理性を確保しながら報復したいという、戦勝国のエゴにより為された戦争の延長戦であると考える。つまり戦勝国は正義の戦争に勝ったのだという歴史を作りたいと考えて、帰って汚点を歴史に残したと言えるだろう。

この時代までの戦争に関する国際条約として、ハーグ陸戦条約(補足1)とパリ不戦条約(補足2)があった。「侵略の罪」とはパリ不戦条約に対する違反である。日本国による中国への侵略行為が、パリ不戦条約違反ということで起こったのがあの戦争であった。つまり、パリ不戦条約違反に対する国際的制裁があの戦争であり、その結果が日本の敗戦であった。

そして、日本の領土はポツダム宣言に書かれたように日本列島に限定され、併合していた朝鮮と台湾は剥ぎ取られることになった。不戦条約はそこで役割を終わった筈であり、その時の侵略を指揮した軍人や政治家個人を裁くことが可能な罪があったとすれば、それを裁くのは日本国であり、連合国ではない。

つまり、国際法は本質として各批准国の法律に基づいて履行されるものである。そして、批准国の国内法よりも高位に存在する訳ではない。(補足3)この点が、東京裁判が茶番であるという根拠であると思う。

これらの国際条約は、独立した国家群をメンバーとする“国際社会”で制定された条約であり、その履行を要求する相手は国家であり、加盟国の個人ではない。つまり、国際条約を根拠にしてある国の個人を処罰することなど、不可能なことは素人でもわかることである。

敗戦国である他国の個人を裁判の振りをして殺すのは、紳士的体裁を取り繕った報復である。こんなことを長々と議論する、各国のエリートたちの頭の中は一体どうなっているのだろうか。

2)東京裁判に関する考えは以上であるが、一言追加したい。

①パリ不戦条約は、理想論を述べただけであり、恣意的に適用されるのは目に見えている。20世紀に入り、戦争が野蛮化したのはこの条約の所為であるか、戦争の野蛮化のプロセスの一環として存在するかのどちらかだろう。

②ハーグ陸戦条約の違反行為である捕虜虐待なども国際軍事法廷で裁かれている。これも、A級犯罪とされるケース同様に、他国が裁く権利などない。もし、他国がさばくことができたのなら、その後の残虐行為を行なったとする中国や韓国の日本批判は根拠が無い筈である。それは、同罪で二度裁くことになるからである。

③日本国は国体護持という希望がマッカーサー(米国)により認められ(補足4)、新しい憲法も大日本帝国憲法の改正する形をとった。ただ、連合国の東京裁判が根拠のないものと考えるのなら、日本国独自に戦争に至った経緯と、その際犯罪的行為があったのならその処罰をすべきであったが、何もしていない。  兎に角、何もかもむちゃくちゃである。

補足:


1)ハーグ陸戦条約は、1899年にオランダ・ハーグで開かれた第1回万国平和会議において採択された「陸戦ノ法規慣例ニ関スル条約並びに同附属書「陸戦ノ法規慣例ニ関スル規則」のこと。1907年第2回万国平和会議で改定され今日に至る。

交戦者の資格として、指揮官が存在し、公然と兵器を携帯し、徽章(バッジなど)をつけていること、戦争法規を遵守していることを規定。また、捕虜は敵政府の権内に属し、捕らえた個人や部隊に属さない。捕虜は、人道をもって取り扱うこと。更に、毒を兵器に使うこと、不必要な苦痛を与える兵器などを用いないことなどが規定されている。 この根底に、戦争を外交の延長と考える文化が存在する。

2)パリ不戦条約:第一次世界大戦後(1928年)に締結された多国間条約で、国際紛争を解決する手段として、締約国相互での戦争を放棄し、紛争は平和的手段により解決することを規定した条約。

第一条:締約国は国際紛争解決の為戦争に訴えることを非とし、且つ、その相互関係において国家の政策と手段としての戦争を放棄することを、その各自の人民の名において厳粛に宣言す。
第二条:締約国は、相互間に起こることあるべき一切の紛争又は紛議は、その性質又は起因の如何を問わず、平和的手段によるのほか、これが処理又は解決を求めざることを約す。(一、二条は、旧文体を平仮名表示にしたもの。句点は追加。)
第三条:批准は憲法の要件に従い行う。他国の加入に関して条約をオープンにしておく。批准書等は米国が管理する。(三条は要点のみ)

https://ja.wikisource.org/wiki/%E6%88%B0%E7%88%AD%E6%8A%9B%E6%A3%84%E3%83%8B%E9%97%9C%E3%82%B9%E3%83%AB%E6%A2%9D%E7%B4%84

3)国際法が国内法よりも高位の法になるのは、世界連邦ができた時である。つまり、世界連邦の司法と警察が整備され、有効に機能する時である。この番組映画でも、インドのパール判事はそのような発言をしている。

4)ポツダム宣言を受諾した上での降伏であるから、一応条件付き降伏である。しかし、米国国務省は国家元首たる天皇を処刑すべきだと考えた。マッカーサーが反対しなければ、国民だけでなく元首さえ殺される可能性があった。完全に占領されて国家主権がなかったのだから、所謂降伏とは言い難い。ほとんど国家が消滅したと考えなければ説明がつかない。逆に、日本国が継続的に存在していたと考えるのなら、東京裁判は日本国から見れば連合国による犯罪行為になるだろう。(ハーグ陸戦条約に付属する規則43条違反である。)

以上、素人の意見です。コメント歓迎します。

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