1)先日来、米国による北朝鮮の攻撃はないだろうとブログに書いてきたが、その見通しは甘い可能性が出てきた。
今朝六時頃に出されたワシントン・ポストの臨時ニュースでは、米国は北朝鮮は既にICBM搭載可能な核の小型化に成功しているらしいと発表した。そして、トランプ大統領は火曜日の8日「北朝鮮の米国への脅迫が続けば、世界が未だ経験したことのない憎しみと攻撃に曝されるだろう」との厳しい警告を報じている。
http://www.bbc.com/news/world-us-canada-40869319?ns_mchannel=social&ns_campaign=bbc_breaking&ns_source=twitter&ns_linkname=news_central
恐らく、この北朝鮮へのトランプ大統領の強硬姿勢は、先日のティラーソン国務長官の談話にあるように、今後ミサイル実験をしなければ話し合う用意があるとの対話路線と対をなすと考えられる。
北朝鮮がそろそろ潮時だと考えるべきであり、あまり楽観しすぎると本当に爆撃があるかもしれない。先の世界大戦は、ポーランドの実力を顧みない強硬姿勢が、ドイツの侵攻を生み始まった。その裏には、英国首相のポーランドの独立を保障するかのような発言があった可能性が知られている。今回は、ロシアや中国の北朝鮮支持がそれに当たる。
しかし、ロシアや中国も米国と核戦争をするつもりなど毛頭ない筈である。それに、米国は手順を踏んで、今回の警告を出している。つまり、国連の安全保障理事会での北朝鮮制裁決議に、ロシアと中国も賛成も取り付けているのである。これは、米国が今回の警告に対して裏書きの意味をもたせることを考えて居ると思う。
そのように考えるのは、最も効果的な制裁は石油の禁輸であるが、今回はそれを封印して、中国とロシアの賛成を取り付けているからである。更に今回、核の小型化に成功しているとのアナウンスは、攻撃する根拠を世界にアナウンスしているのである。
チキンレースを継続するには知性など不要であるが、戦略的に動く方向を変えるには知性と指導力が必要である。心配なのは、金正恩はまともに助言を与えるスタッフを持たないかもしれないことである。このまま衝突まで直進すれば、その結末は北朝鮮の完全な崩壊と韓国や日本での多大な犠牲である。金正恩に知的な判断を期待したい。
2) ワシントン・ポストが報じたブレイキング・ニュースの56分後に、北朝鮮は脅しに屈する姿勢を嫌って、米国の戦略爆撃機の拠点であるグアム周辺に、中長期ロケット弾を発射する計画を検討していると語った。。http://www.bbc.com/news/world-asia-40871416
元々対等に渡り合うことなど不可能な相手に対して、即座にこのように反応する北朝鮮の姿勢は、事態が急変する可能性を示している。つまり、北朝鮮高官は米国の攻撃の恐怖と金正恩に対する恐怖を比較して、後者の方を重視したと考えられる。
このことは非常に深刻である。金正恩にとっても、米国による攻撃の恐怖と下に大勢いる政府高官たちの裏切りの恐怖とを比較している可能性が大だからである。つまり、北朝鮮政府では、外からの信号をまともに受信して、それを元に戦略を立てるという体制が崩れている可能性がある。
株式市場も完全にリスクオフの雰囲気が覆ってしまった。
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