1)安倍政権が大学の無償化を考えているらしいが、本当に愚かな人だ。大学無償化で喜ぶのは加計学園の理事長だろう。くだらない大学に無限大の補助金を与えるような政策には断固反対する。安倍さんはやっぱり何もわかっていない。こんな政権は早く潰れた方が良い。https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170817-00050040-yom-pol
全ての人が大学教育を受ければ、それだけで社会の平均の労働生産性が高くなると思っているのだろうか?多くの人が安易に大学に行くことになり、大学教育にふさわしくない人は単に遊び癖をつけることになるだろう。それは社会に役立たない人の大量育成になってしまう。現状では、高い授業料を払ってでも行きたいと思う人のために、各大学は教育に特色をつけたり、高度な看板学部を持つなどの努力をしているだろう。大学授業料無償化は、学生と大学の両方をスポイルするだろう。米国の大学を考えれば良い。一流の大学はその高度な教育研究環境にふさわしい授業料をとっている。
この大学授業料無償化は元々、維新の政策らしい。こんなことを言い出すとは思わなかった。橋下徹氏は本当にその政策を正しいと考えているのなら、これまでの橋下氏に対する評価を取り消さなくてはならない。大学授業料の無償化ではなく、奨学金の拡充という形で、教育費負担軽減を考えるべきだろう。一部は給付型にし、残りについては、卒業後の給与にかかる所得税相当分をそのまま奨学金返還金とするなどの方法により、優秀な学生の負担を軽減すると良いと思う。
2)現在日本は知的デフレスパイラルにある。その原因は正に大学のレベル低下である。2013年1月27にヤフーの知恵袋にこの件について投稿したことがある。https://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n150047ここにその考えを再録するが、その結論は、「大学への助成金を大幅に減額すべし」である。無償化の全く逆である。「大学への進学費用は、それにより得る利益を受ける側が負担すべきであり、それにより、まともな大学のみが生き残り、従って大学はその人事(教員の人事が知的デフレの元凶だと考えている)を必死に考えるだろう」と結論している。
今朝のニュースステーションでは、桜宮高校での体罰事件から、小学校からの英語教育、更に学校の教育行政まで広範な議論がなされていた。その最後の部分で、出席者の一人である大学の先生から、今一番改革を要するのは大学であるという意見もあった。つまり、大学が終着駅と見なされているから、その終着駅がいい加減だから、高校以下の教育が上手く行かないのだという考えである。
大学で教育を受けた人が社会に出て、その一部が小中学校から大学の教員になる。大学でいい加減な教育を受けた人間が小中学校の教員になるのだから、そこでの教育レベルは低下するのは当たり前。つまり、日本国は知的デフレスパイラルになっているのである。つまり、大学を改革出来れば、そのデフレがインフレに転換できるかもしれないという意見だと思う。
日本の経済対策として聞いた話に似ている。更に、日本の小中学校長には人事権や予算執行権がないので、組織のトップとして何もすることが出来ない。その原因は米国が戦後作った教育行政の枠組みがそのままにされているからであるとの話。あれもこれも全て、戦後の枠組みから脱却しないで米国依存を決めこみ何もしなかった自民党政治と、その中で育まれた霞ヶ関官僚たちの独裁体制の相互依存制に問題の根幹があるようだ。
この知的デフレスパイラルも経済的デフレスパイラルも、今まで何もしなかった自民党が生まれ換わって改革できるというのだろうか?このような議論を展開すると最後は、日本の文化にまで話が及んでしまう。
元に戻って、日本の知的デフレスパイラルの原因としての大学の能力低下(注1)であるが、その原因は大学の人事にある。大学教員の実質的な人事権を教授会が持つことがこの知的デフレの出発点である。より具体的には、その人事制度により、助教(昔の助手)が出身講座の大学院修了者から選ばれることになり、その大学助手が最終的にどこかの準教授や教授になり、大学のレベルを決めることになるのである。一旦レベルが低下し始めると、際限なく低下する。
そのプロセスは、英語の諺「一級の人間は一級の人間を選び、二級の人間は三級の人間を選ぶ」(注2)を思い出すと容易に想像できる。問題は、その大学出身者が大学だけでなく日本の全ての分野でのレベルを決める点である。 このデフレスパイラルを改革するには、出発点である助教の人事を、例えば客観的指標を決めるとともに人事プロセスを公開するなどで改革する必要があると思う。更に、もっと根源的な部分で、大学行政への国の関与の仕方である。
私は、大学への助成金を大幅に減額することを提案する。大学への進学費用は、それにより得る利益を受ける側が負担すべきである。それにより、まともな大学のみが生き残り、従って大学はその人事を必死に考えるだろう。
注釈:
注1) 日本はノーベル賞をかなりとっており、大学のレベルが低くないのではないかという意見が出てくるかもしれない。しかし、ノーベル賞の大半は数十年前の業績に与えられているのであり、現在の大学のレベルを繁栄していない。また、東京大と京都大だけが大学ではない。現在の大学のレベルは、世界の大学ランキングが参考になる。
注2) First rate mathematicians choose first rate people, but secondrate mathematicians choose third rate people. ネット検索ではこの言葉しか出てこないが、NHKビジネス英会話の中で数学者ではなく単に人のpeopleが使われていたと思う。
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