1)経済のグローバル化は、貿易の自由化や資本の移動に関する規制撤廃などで、現状で相当進んでいる。これは、①先進国の製造業などが、安い労働力などによるコスト削減を駆動力として発展途上国に進出すること進められた。元の②先進国で新規産業が起こり余った労働力を吸収できれば、途上国と先進国の双方に利益をもたらす。
しかし、①と②は独立した現象なので、協奏的に起こるわけではない。その結果、先進国で失業やデフレなどの副作用が起こりやすくなる。また、海外進出した企業の競争力が増すことで、他国の同種企業の市場を吸収するなど、企業間の経済戦争もグローバルになり、勝ち組企業を持つ国家とそうでない国家の間で摩擦が生じる。日米自動車(半導体、etc)摩擦などがその例である。
新規産業が生じないで海外へ進出するのみの国では、その企業が十分な外貨を持ち帰る内は良いが、そのほかの環境が同じだと次第に貿易赤字による通貨安になるだろう。日本では最近、新規企業の発生がなくなっている。そして、食料やエネルギーなどの生活必需品を外国に頼る結果、貿易黒字が続くうちは発展途上国で製造された消費財により物価安状態に留まるが、その後石油や天然ガスの値段が上がるなどで貿易赤字が続くと、通貨安とインフレ下の不況(スタグフレーション)になる危険性が高い。
現在、医療福祉などの分野での需要が増加し人手不足状態ではあるが、今後通貨安が起これば物価の上昇に給与が追いつかず、需要が減少してスタグフレーションになる可能性があると思う。それが最も恐ろしい状況であり、日本国が発展途上国並みの経済力に落ちる可能性すら存在すると思う。(補足1)新規産業が生じないで既存企業が海外へ進出するのみの国では、その企業が十分な外貨を持ち帰る内は良いが、そのほかの環境が同じだと次第に貿易赤字による通貨安になるだろう。日本では最近、新規企業の発生がなくなっている。そして、食料やエネルギーなどの生活必需品を外国に頼る結果、貿易黒字が続くうちは発展途上国で製造された安価な消費財により物価安状態に留まるが、その後石油や天然ガスの値段が上がるなどで貿易赤字が続くと、通貨安とインフレ化の不況になる危険性が高い。
現在、医療福祉などの分野での需要が増加し人手不足状態ではあるが、今後通貨安と物価の上昇に給与が追いつかず、需要が減少してスタグフレーションになる可能性がある。その状態が最も恐ろしい状況であり、日本国が発展途上国並みの経済力に落ちることになるかもしれない。
2)トランプ氏のような人が米国の大統領になることで、日本経済の停滞から転落に至る時間がかなり短縮されると思う。前回と前々回のブログメモに書いたように、新規企業を生み出し世界一の経済力を持ちながら、貪欲に他国を経済的にも隷属状態に置きたいという欲求を、米国はトランプ氏の荒技で一挙に満たそうとしているように見える。(補足2)ナスダック系の企業は眉をひそめるが、ラストベルト地帯の企業は大喜びだろう。米国全体としては、トランプを非難しつつ、トランプの持ち込む富の分け前はもらいたいという心境だろう。国際世論に耐えられなくなれば、トランプを排除すれば良いだけである。
振り返れば、70年前に世界大戦で疲弊した世界が、(今度こそ)二度とこのような戦争にならないように、法と正義により国際的問題も解決しようということになった。その先頭に立ったのが米国ではなかったのか?話し合いと協調の姿勢でルールを決めるのなら、そして、そのルールに軍事強国でも弱小国でも従うのなら、世界は一つの方向に向かう可能性が高い。それがグローバル化という現象の始まりだろう。それから70年経ち、その記憶が薄れつつあることが、世界の国々のそしてその中心の米国のトップの椅子にポピュリストが座る原因だろうと思う。
今日のトランプ大統領と英国メイ首相との会見がどのような内容になるかが、今後を占う大きなヒントになるだろう。メイ首相は、グローバルな経済活動により、我々は豊かな経済を得ることになったとダボス会議で演説した人である。EUからの脱退をヨーロッパの英国からグローバルな英国を目指すことになったと表現する海洋国家の首相と、孤立主義へ舵を切る大国の大統領の話がどのように進むか、今後を占うヒントになると思う。
http://blogs.spectator.co.uk/2017/01/theresa-mays-davos-speech-full-text/
安倍総理も同じ海洋国家の日本の首相として、英国メイ首相と話し合うべきだと思う。そして、英国と協調できれば、アメリカとの交渉も容易になると思う。
(素人のメモです。批判コメントなどお願いします。)
補足:
1)通貨安により、日本の株価は外国人の買いにより上昇するだろう。そして、日本の代表的企業は外国資本に支配されることになる。
2)中国ではこれまでの経済発展は二次曲線的であった。しかし、最近の米国の経済発展は直線的である。これが健全なグローバル化の進行下での先進国経済のマクロなデータだと思う。しかし、それでも不均一な富の分配による不満が国内に存在する。その原因を国内政治の怠慢にではなく海外に求めるのは、非常に卑怯である。
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