今回の日韓関係は、45年前の金大中拉致事件や朴正熙暗殺未遂事件の起こった頃に比べて、修復可能であり、経済的マイナスが積み上がる前に修復すべきだという内容の記事がNewsweek誌の日本語版に掲載された。米国に住む冷泉彰彦を名乗る人の書いた記事である。(補足1)https://www.newsweekjapan.jp/reizei/2019/08/45.php
この記事、専門的な分析から精度の高い予測を披露するという類のものではなさそうなので、Newsweekが米国在住の日本人ジャーナリストの名で流す、プロパガンダだと解釈される。今や報道機関は、ある政治勢力に所有されている事が多く、その報道はプロパガンダを多く含むと考えて良い。特に、米国マスコミのトランプ批判の記事などは、ほとんどがプロパガンダなのかもしれない。
この人が書いたNewsweekの記事を調べてみて、ある記事を見つけた。この記事で、この人の立場や考えを評価出来るので、非常に面白い。日産のゴーン会長逮捕に関する記事である。この件、米国の一部で批判的に受け取られているのだろうが、その理由が面白いというか馬鹿げている。その副題を読んで、これが米国のNewsweekに力を及ぶす人たちの考え方なのかと思い、非常に参考になる。https://www.newsweekjapan.jp/reizei/2018/11/post-1048.php
以下がその副題である:
<ゴーン会長逮捕のニュースはアメリカで、企業経営者の強大な権力への批判だけでなく、グローバル企業のトップが日本だけの事件で逮捕されることへの困惑と共に報じられた>
なんと、“グローバル企業のトップが日本だけの事件で逮捕される”と書いているのだ。本文で、NBCの記者の意見を引用して、「グループ企業の総帥に対して、グループを構成する一企業が独断でローカルな国の捜査当局に捜査協力している状況への違和感もあるわけです」と書いている。日本の検察を「ローカルな捜査当局」と呼んでいるのだ。
グローバリストたちがこのように本音を披露するとは信じられないことである。(補足2)Newsweeekがこのような記事を流すとは本当にビックリである。日本人を全く馬鹿だと思って書いたのでなければ、傲慢さが普通の知性を塗り替えるほどなのだろう。米国とはこの様な考えの人達が牛耳る国だったのかと、そう改めて思った。
そのNewsweekの方が、今回の日韓の情況に関して、「今の韓国との関係は45年前の危機に比べればまだコントロール可能」と書いているのだ。1974年には、金大中拉致事件、反政府運動の学生団体を取材していたジャーナリスト2人の逮捕、それに在日朝鮮人文世光が朴正熙暗殺未遂事件を起こしたことなどで、日韓は危機的情況だったというのだ。
しかし、朴正熙は必ずしも親日とは言えなかったかもしれないが、日本と独立した関係を築くことを大事に考えた大統領だった。その日韓基本条約締結に向けた演説には、たしかに反日思想がある。それとて、歴史的真実を韓国大衆に受け入れられるように言っただけであった。(補足3)
従って、45年前の日韓関係は、日本人による大統領暗殺未遂と思われた時は危機的な情況が予想されただろうが、在日朝鮮人による犯行だとわかれば、そのような考えは自然消滅する親和性が両国間にはあった。
しかし、今回のケースは、本質的な歴史的転換点にあると思う。法の不遡及の原則を、対日関係に持ち込んだ時点で、それは明確になったのであり、ここ1−2年の話ではない。親日反民族行為者財産の国家帰属に関する特別法が制定された2005年に、既に日韓関係は破壊されている。(補足4)その最終段階が今であり、Newsweek誌がそれを理解していないのだろう。
以上、米国はいかに日本を含む極東のことに無知なのか、Newsweekの記事によってみてきた。勿論冷泉彰彦という無知な日系人の所為にするのは間違いだという前提での話である。今後、この種の記事をもう少し見てみたい。
補足:
1)冷泉家とは何の関係もない本名「前田文夫」という人物。『ニューズウィーク』日本版のコラムニストであり、「プリンストン発 日本/アメリカ新時代 」と題して、2009年5月より週に2~3回のコラムを掲載している。
2)グローバリストたちの多くは、ユダヤ系の資本家たちとその周辺の人たちである。(馬渕睦夫氏の云うディープ・ステートを構成する人たち)。彼らの優秀さと傲慢さは、時として思わず本音を喋らせてしまう。例えば、あのブレジンスキー氏は、「最近はネット社会になり、素人が例えば100万人レベルで政治に詳しくなった。彼らを説得するのは困難であり、その100万人を殺してしまう方が早い」という内容の発言を公の場で行ってしまった。https://blog.goo.ne.jp/j4goocast/e/1de6a4269d59548758f92534153ba4d0 (非常に広く拡散している。)
優秀さと傲慢さは同居するようである。既に、中国人民解放軍少将の朱成虎は、核兵器を先制使用して、日本全土を虐殺しつくし地球上人口の削減に言及した。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%B1%E6%88%90%E8%99%8E
3)朴正熙の日韓基本条約を韓国民に説明する演説は、西岡力氏の記事でみつけた。西岡力氏は、日本の朝鮮半島の関係に詳しい「北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)会長」である。https://ironna.jp/article/2266
そこには、韓国人一般の反日思想に理解を示す文章が含まれている。その一節を、朴正熙が親日派だと安易に考える日本人のために掲載しておく。
「去る数十年間、いや数百年間われわれは日本と深い怨恨のなかに生きてきました。彼等はわれわれの独立を抹殺しましたし、彼等はわれわれの父母兄弟を殺傷しました。そして彼等はわれわれの財産を搾取しました。過去だけに思いをいたらすならば彼等に対するわれわれの骨にしみた感情はどの面より見ても不倶戴天といわねばなりません。」
「韓日国交正常化がこれからわれわれによい結果をもたらすか、または不幸な結果をもたらすかということの鍵はわれわれの主体意識がどの程度に正しいか、われわれの覚悟がどの程度固いかということにかかっているのであります。」
朴正熙が反日だとしても、この最後の三行は政治家としてのリーダーシップに満ちた言葉である。今日のような日韓関係になるはずがない。
4)最近の日韓関係は、以下の言葉で象徴される。「日本だけは地球上で必ず絶滅させなければならない、唯一の人種」。韓国のニュースサイト「デイリー・ジャーナル」のコラムでこう書いたのは、以前も秋篠宮家の次女、佳子さまについて「慰安婦にするしかない」などと暴言を書いた記者だった。 https://www.j-cast.com/2015/07/23240979.html
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