1)真実は自説ではないかもしれない
真実は一つというのが常識である。そして簡単な物理及び化学現象の法則に限れば、そう信じても良い。しかし、物理学者たちは決して「これが真実である」とは言わない。それが科学者としての態度だからである。(補足1)
セクションのヘッドラインは、「真実に最も近いと考えられている事を前にしても、真実ではない可能性もあるという態度を保持することが、“知性”である」という意味である。
例えば、新型コロナ肺炎(COVID-19; 以下新型コロナ)は、重大な疫病であるというのが定説であるが、本当は単なる風邪程度の病気かもしれないという態度を、医学会の結論が出るまで保持するのが知性ある態度である。
勿論、「新型コロナ肺炎は、軽い風邪程度である」と断定的に主張するのは、プロパガンダを行っているか、バカかどちらかである。何故なら、米国では死亡原因第3位の病気だからである。おそらく、ベルギー、ペルー、スペイン、英国、イタリア、スウェーデン、チリなど、米国よりも人口あたりの死者数が多い国々でも、同様に主要な死亡原因だろう。https://www.worldometers.info/coronavirus/#countries
2)新型コロナの軽い風邪説
元国会議員の松田学氏が新型コロナは軽い風邪にすぎないという説を以前からyoutubeで発信している。この発言にたいする反論をブログ記事として、4月15日にアップロードした。https://rcbyspinmanipulation.blogspot.com/2020/04/blog-post_15.html
その後も松田氏は、例えば京都大学の上久保靖彦氏を呼び、新型コロナの免疫が既に日本人に出来上がっているという説の拡散に努めるなど、不可解な動画を連続してアップロードしている。https://www.youtube.com/watch?v=hF0HBmIFWMs&t=1514s
この動画には、「聞き手として、反対の意見を持つ人を呼んで議論してほしい。松田さんが好きな話を反論なく聞いている動画に、一体どれだけの説得力があるのか?」というコメントを投稿した。しかし、コメントとその支持(サムズアップ)の総数は3000以上あるが、私の説を支持するのは僅か6人であった。(8月26日現在)
そして、8月25日の松田学氏の動画は、特番『もはや終息宣言すべきだ!』と題して、ゲストに文芸評論家の小川榮太郎氏を呼び、小川氏の新型コロナの流行はもう終わったという説を紹介し、その拡散に努めている。
https://www.youtube.com/watch?v=kJ3QMJjceTw&t=150s
私の想像では、この手のプロパガンダ的動画を支持するコメントを書いたり、サムズアップにクリックするのは、日本在住の中国人五毛党(補足2)によるものだろう。日本の世論を新型コロナ軽視に導いて、この病気の発生と伝搬に対する中国責任論の芽を摘んでいるのだろう。
経済も重視すべきという考えは判る。そして、新型コロナの恐怖を煽るような連日のテレビ報道には、私も反対である。しかし、新型コロナに対する正しい認識を得て、経済活動を活性化する方向に国を動かすのは、国会議員や専門家を含め、大勢が議論した結果を基にすべきである。プロパガンダを流して国民を洗脳して為すべきことではない。
著名人が何かを言うと、コメントの殆どは同意表明である。反論は殆ど聞かれない。何という情けない国なのか、日本は。議論の無い日本の文化は、歴史がグローバルに動く時代に入り、短時間で日本を滅ぼすだろう。
補足:
1)その理由は、科学法則は全て「仮説」として出されたものだからである。「法則と呼ばれる論理」は、それに反する実験結果が、対象とする系(観測対象のこと)において、今まで得られなかっただけである。そして、科学は法則を疑うことで発展してきた。原子や分子のエネルギー状態を議論するときに、ニュートンの運動の法則が成立しないことを見出したことから、現代文明の基礎である量子論が生まれた。ニュートン力学を唯一の真実と信じてしまっては、このスマホやパソコンの現代文明は生まれなかった。
2)五毛党は、中国政府の支持で中国の方針に合致する記事や動画に支持コメントを書いたり、支持票を入れたりする人たちのことである。五毛とは、報酬の額(一元の半分)を示す。中国に1000万人居ると言われる。(ウィキペディア参照)
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