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2020年8月29日土曜日

民主国では国家が貨幣を発行すべき

現在通貨の大半を占める紙幣は、中央銀行である日本銀行が発行している。日本銀行は、東京証券取引所に上場する私企業である。その株の55%を財務省が保有しているが、残りの株式の大部分は、一説によるとユダヤ人であるロスチャイルド家が保有していると言われる。(補足1)日本銀行は通常の会社が行うような大株主の公開をしていない。国家の財政を支える基礎に、このような不明瞭を抱えることを、日本国民の殆どは知らない。貨幣の形態が大きく変化する今、このあたりのことを考えておくことが大事だと思い、自分の考えを整理する意味で、本記事を書いた。

 

1) お金とは何か:

 

現在の社会では、“お金(マネー)”があれば何でも買える。そして、お金は物(以下“財”と呼ぶ)やサービスの流れる方向と逆に流れる。

 

それら財とかサービスを、善人、悪人、美人、醜人、誰でも同様に、同じ額のお金と交換して手にすることができる。お金という魔法の紙やコインを仲介役にして、「それが欲しい」「それをあげる」という“契約(会話)”する事ができるのである。物々交換では、対面する二人の欲しい物と与える物が、価値と量で一致することは稀であるから、お金を用いることは人類の最大の発明だと言って良い。

 

この売買契約は、元々金(ゴールド)など多くの人が価値を認める持ち運びが簡単な物と、実際の財等との物々交換から始まった。その次に、銀行が発行する何時でも一定の金(ゴールド)との交換を成約する書類(譲渡可能な金の預り証)が、紙幣の役割をするようになった。この段階では、手元に金を持つという信用があれば、だれでも紙幣を発行することが可能だった。それが利子を生むとなれば、貨幣発行は儲かる商売となる。つまり、それが元々の銀行業務である。(補足2)

 

しかし、それでは銀行により紙幣のデザインも異なり、紙幣を見て直ぐに本物と識別することも困難である。その不便を克服するために、国家の紙幣が統一されるようになった。中央銀行の誕生である。英国では、英国ロスチャイルド家の祖ネイサン・ロスチャイルドが、ナポレオンが英国を制覇するというデマ(実施はデマを流した張本人かもしれない)を利用して、英国の公債を空売りし、底値で買い戻して巨利を得、それを元にして英国の貨幣発行権を国王から得た。英国銀行の誕生である。

 

このような要求から、世界中に中央銀行が出来、その多くをロスチャイルド家が握ったようだ。https://gentosha-go.com/articles/-/2398 ただ、世界の政治組織が、絶対王政から共和制或いは立憲君主制という名の民主制(補足3)へと変更され、それとともに、国家の経済や国家の財政などと貨幣の関係も大きく変化する。また、戦後経済活動が徐々にグローバル化され、大量の国際決済通貨の必要性から、米国のドルがその要求に答える貨幣となった。現在でも、その地位は揺るがない。(補足4)

 

世界の経済規模が急激に大きくなり、日常的に取引される財の量と価値の増大は、必然的に大量の金に相当する貨幣を必要とするが、それは世界の金の価値を遥かに超える様になる。或いは、皆が納得出来る範囲の金の価格上昇の範囲での貨幣の量では、対応できなくなる。その結果、金の貨幣としての役割が終了した。米国ニクソン大統領の時代である。(補足5)それに代わるのは、国家の債務証書としての紙幣である。

 

2)中央銀行より国家が紙幣を発行すべき:

 

国家の安定的存在と信用が、個人の生活と感覚の中で揺るがなくなったことで、国債が実質的に紙幣(一般に貨幣)の役割を果たすことが可能になったと思う。第二次大戦後、民主主義制度と一体化した自由主義経済により、経済規模の安定的拡大の時代になったが、それは紙幣の信用を保証する。

 

国家より銀行に信用があれば、中央銀行制度に紙幣の発行を頼ることになるが、現在、その必然性は無いと思う。実際、中央銀行が安定資産として主に保有するのは、国債である。それが今後も継続すると考えられるので、中央銀行という名の民間銀行に貨幣発行権を委ねる理由はない。

 

民主主義体制を採る近代国家は、国民の安全と福祉のために存在する。(補足6)全ての国民が所属し運営する、国民のための共同体組織であり、機能体組織でもある。国家が機能体として、成長するには、その所有者である国民による出資が必要である。それが国債であり、国民による投資と考えるべきである。また、国家の日常的な政治及び経済活動には、そのサービスを受ける国民が収める税を予算にあてる。

 

私企業である中央銀行に貨幣発行権を与え、膨大な利益をもたらす理由はない。勿論、放漫財政の危険性は、政治の問題として避けるべきなのは言うまでもない。「それが出来ないから中央銀行が必要だ」というのは、民主主義政治の否定に他ならない。

 

尚、民主主義の成立には、国民全ての教育による知的レベルの向上と積極的政治参加が必須要件である。この教育には、民主主義制度を獲得した歴史の理解と記憶が含まれ無ければならない。

(11:00 編集)

 

補足:

 

1)貨幣発行を中央銀行が行うシステムは、ロスチャイルド家が握る場合が多い。米国では、ウィルソン大統領が国際政治において理想主義を掲げ、中央銀行にFRBを置いた。(この”けったい”な文で一体何が言いたいのか?)https://sites.google.com/site/uranenpyou/home/frb

 

2)“お金”という言葉は、金や銀などの貴金属が通貨として使われたことに由来する。米国の紙幣は、 ”legal tender”と呼ぶことがある。このtenderという英単語の意味は、「正式な承諾」(formal offer for acceptance)である。何の承諾かといえば、“金と交換します”という承諾だろう。他に貨幣のことを他に、billと呼ぶことがある。billは請求書の意味で用いられることが多いが、本来は正式書類という意味である。

 

3)日本や英国の立憲君主制は、普通選挙により代議員を選び、彼らが立法や行政を行うので、民主制であると言える。日本では天皇を君主であるとしても、象徴に過ぎないので、形式的には完全な民主国家と言える。英国は成文憲法が無いようなので、国王の権利がどの程度かわからないが、実質的に民主制であることにかわりはないだろう。尚、自民党の憲法草案の第一条は天皇の地位に関する文章だが、その記述は矛盾に満ちている。つまり、元首の意味をごまかしている。https://jimin.jp-east-2.storage.api.nifcloud.com/pdf/news/policy/130250_1.pdf

 

4)国際通貨基金(IMF)が設立され、その特別引き出し権(SDR)が、国際決済通貨として利用出来ないかという話がある。しかし、米国と比較して軍事的存在感のないIMFに、それを維持する力はないだろう。つまり、世界政府が出来れば、そしてIMFがその財務機構として成長すれば話は別だが、それまでは米ドルが国際決済通貨としての主座に座ると思う。

 

5)ニクソン大統領が金とドルの繋がりを切った。それにも拘らず、ドルが国際決済通貨としての地位を保てたのは、米国が軍事的及び経済的に世界の最強国であるという事実に裏付けられている。但し、当時1オンス(約31.1g)が35ドルだったが、現在では1700ドルである。ただ、国際決済通貨としての地位を失った金が、(インフレ以外の理由で)これ以上の価値をもつことはないだろう。

 

6)この範疇に入らない国家を、国際経済システムの中に入れるのは間違いである。

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