1)1月6日何がおこったのか:
1月6日の結果は、私の予想の範囲内だった。トランプ応援団右翼には、ペンスに期待する声があったが、それは元々変な理屈に基づいている。ペンスにそんな大権がある筈はない。ただ、ペンスがあの混乱の後、直ちに会議を再開したことは、確かにトランプへの裏切りではある。
ジョージアかどこかの選挙人票の開票の際、オブジェクションの意思を表明した議員が、ペンスに書類があるかと問われた時、「混乱の中で紛失した」と言った。ペンスはそれではオブジェクション出来ないと、次の州に議事を進めた。このジョージアのオブジェクション取消は、トランプを支持する筈だった共和党議員達もトランプを見捨てたということだろう。議事堂が混乱したとしても、書類を紛失することはない筈である。
あの乱入だが、アンティファの人物を警察の一部が議事堂内に導いたという話は、動画とともに公表されている。そこで、警察はトランプ支持の女性を上手く選択して射殺している。(補足1)これらのやり方は相当綿密に計画されたもので、この術中にトランプとその支持者ははめられたようだ。ここで勝負が決定したと思う。
トランプのワシントンに集まろうと呼びかけたのは、愚策で大失敗だった。議会制民主主義の国では、議会は国会議員が静かに議論するところだからだ。もし議会にその機能がなく、裁判所にも、検察や警察(FBIなど含む)にも、正常機能が期待出来ないと考えるのなら、それは国家非常事態であり、その気になれば大統領は非常時の特権がある。
自発的に群衆が集まるのなら良いが、大統領が集めるべきではない。これは民主党勢力に絶好の攻撃材料を与えたことになる。多くの秀才たちが作り上げた作戦が、上記アンティファメンバーという傭兵の議事堂乱入だろう。恐らく最初に射殺されたトランプ支持のカリフォルニアから来た女性は、最初からターゲットの何人かとして決まっていたのだろう。
これで終わった。12月24日に書いた記事 ①「10年後から観た現在:米国を中心に進んだ民主主義崩壊の経緯」の予想通りになった。マイケル・フリン氏とその友人のトーマス・マキナニー氏(元米空軍中尉)の進言を受けた直後に、戒厳令を布くことが、米国が民主主義を取り戻す唯一の方法だった。
恐らく、トランプは自ら大統領を退くだろう。民主党側はトランプが自分を恩赦することを許すかもしれない。そうすれば、嘲笑の対象となり、12月8日の記事に書いた記事②「トランプは史上最愚大統領と米国史に書かれるかも知れない」の推論のうち、表題の“かもしれない”が取り除いた文章の通りとなるだろう。
追捕:(11:59) トランプさんの声明が発表されたようです。カナダ人ニュースさんのyoutubeを引用します。
トランプは優秀な政治家だった。しかし、一人の力はこの程度である。この教訓を米国国民が十分に学習しなければ、世界は米国の”影の政府”を牛耳る勢力の独裁が一層強くなるだろう。ただ、勝利を収めた反トランプは、一枚岩ではない。
2)今後の米国
トランプは米国政府の役割は、米国民の命を護り生活を向上させることに限定すべきと考えた。それがAmerica First政策である。しかし、純粋にその方向に舵を切れば、世界の支配者から降りることになる。そして、GDPシェアが20%近くに低下した後は、世界の基軸通貨の発行国としての地位も捨てることになる。その後の決済通貨は、ユーロや元などとの競争になるのか、或いはそれらの比率が高くなったIMFデジタル通貨(SDRのデジタル通貨)となるのかわからない。
しかし、米国が特権を手放し、世界のリーダーとしての地位から退けば、世界中は多極化する。そしてその際、日本や韓国を含め多くの国は、飼い主を失った羊の群れのようになり、大混乱となるだろう。それがもう一つのトランプのスローガン「Make America Great Again」と矛盾することになる。(補足2)
世界経済及び政治を混乱に導くことは、米国の影の支配者や、その支配者が握る紐の先の大手メディアや大企業群が、トランプ政権に抱く危惧だろう。それは一理ある。トランプ支持派最右翼の「民主主義の維持か崩壊か」という図式は、思考の枠が現実論的でなく理想論にすぎる。
これまでトランプを応援してきたが、上記の不安は常に持っていた。その一部を表現したのが、上記①と②のブログ記事であり、他に多く書いたトランプに関する悲観的な記事である。米国は今後バイデンが政権につくだろう。しかし、バイデンの抱える過去は、多くの人が既に知っている。その結果、政権はカマラハリスに一年以内に移ると思う。
その後米国はどうなるのだろうか? 米国は共産党支配の社会主義の国、つまり“巨大な中国”になるだろうか? 世界の支配層(つまり米国“影の政府”)は、来たるべき米国と現在の中国は、融合できると考えているのだろうか? 上記世界のトップの方々が、世界政府を目指すとした場合、中国との融合の先にそれがあると思っているのだろうか? これはネルソン・ロックフェラー(補足3)やブッシュ(父)大統領が唱えた「新世界秩序」の実現なのだろうか?
もし、従来型の世界を考えているのなら、中国が巨大になりつつある今、トランプの中国との緩やかなデカップリングは正しい政策である。その場合、カマラハリスも邪魔者に見える。そして、今後米国の政治は、更に別の方向に動くだろう。そのために、選挙制度の改革や、民主主義の衣の修繕が始まるだろう。
補足:
1)この時アンティファやBLM運動で顔がバレている人物を射殺しては大変である。警察がアンティファらしき人物が議事堂内に進めるように柵を開いたという話と矛盾し、その計画は全て崩れる。
2)America First とMake America Great Againは、グレートの意味が通常通りなら、矛盾する。America Firstはあの民主党の理想主義者ウィルソンのスローガンであり、Make America Great Againは、共和党の現実主義者レーガンが用いたスローガンである。これらを同時に掲げるには、独自のオリジナルな解釈がなくてはならない。トランプはそれを考えただろうか?
3)ネルソン・ロックフェラーは第41代米国副大統領で、2017年に死亡したデイビッド・ロックフェラーの兄。巨大資本家のロックフェラー家は、米国のスタンダード石油の創設者ジョン・ロックフェラーに始まる。ネルソン・ロックフェラーらはその息子達である。
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