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2019年1月14日月曜日

戦後日本の民主主義政治について:原点からの考察

1)国政の役割:国民が主人公の政治
国家の政治の重要な役割は、すべての国民に対し平等に自由と福祉を提供することだろう。そのために、国民や法人(会社等人の集まり)が出来るだけ健全且つ自由に活動できるよう、法的及び物理的システム、外交等国際的インフラなどを整備し提供することである。

その一方、それらの能力等個別の原因での幸不幸や栄枯盛衰は、原則としては自己の責任で解決されるべきである。しかし、国民全体が適切と考える様な場合、支援を行う法的システムが必要である。この場合、現在及び将来における国民全体の利益を視野におき、平等原則を維持する法的担保がなければならない。(補足1)

それらの目的のために、日本国民以外の住民や法人にも、一定の配慮がなされるべきである。しかし、あくまでも自然人である日本国民の安全と福祉が政治の目的であるので、本末転倒があってはならない。しかし、日本の戦後政治を見ると、本末転倒的な政治が横行している。つまり、訳の分からない法人や外国人への配慮が、国民の現在及び将来の福祉を害する可能性に対して無配慮&無関係になされている。

たとえば、報道等によると日本国内で日本国政府の私学助成金を受けながら、反日教育が行われている。http://www.afpbb.com/articles/-/3150103 また、日本国民でも無い人に、日本の生活保護制度が適用されている。日本国民は、生活保護の受給を恥として避ける傾向が強いが、外国人はその様な考えを持たないので、生活保護制度では外国人を優先しているのが実態だろう。 https://www.sankei.com/affairs/news/140718/afr1407180003-n1.html

このようなことが何故起こりえるのか?
それは日本にはまともな政治が無いからである。その原因は、日本には市民革命もなく、本物の民主主義も成立したことが無いからだと思う。その点では、法治の原則が分かっていない隣国とほとんど変わらない。西欧製の市民革命や民主主義を、英国や米国の指導で演じたものの、その意味を未だに理解していないのだと思う。

2)明治維新は日本の市民革命ではない:
明治維新は、市民革命的であるが、その真実は英国の対日工作であった可能性が高い。このことは既に何度か書いたが一つだけ下に引用する。原田伊織著「明治維新という過ち」などを材料に書いた記事である。 https://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/42160759.html

日本の歴史教科書は、坂本龍馬という人物を薩長同盟の立役者のように描く。そして、薩長同盟が日本の明治史の重大事のように書かれている。しかし、香港の英国商社の代理人だった坂本龍馬が、英国本国からの司令により動いただけかもしれないのだ。つまり、日本の市民革命的な出来事は英国からの輸入品である可能性がたかい。

昨日の記事で、以下のように書いた:

「中世の専制主義国家から共和制的国家が生じたとしても、人々の政治姿勢が個人主義にまで成長しなければ、それは本物の民主主義国家でも共和制国家でもない。その上、それは常に全体主義的色彩を帯びる危険性がある。」

明治の政変は、薩摩と長州が彼らの下級武士と京都の下級貴族を使って、更に、天皇という権威を捏造して、江戸の徳川幕府を倒したと解釈できる。そして、その際利用した天皇を重視する姿勢から逃れられなくなって、明治憲法に「天皇は陸海軍を統帥する」や、「内閣は天皇を輔弼するという」という条文を書き込むことになったのである。

それらの条文が、何百万人という自国民を死に追い込むことになる昭和の大戦に繋がったのである。陸軍の暴走とかいわれている事態は、まさに天皇の統帥権により生じたというのが定説である。日本政府が学校教育から近代史を排除しているのは、そして、あの戦争が総括できないでいるのは、未だに明治の倒幕勢力が日本政府を牛耳っているからである。

3)戦後政治は本物の民主政治ではない:
日本では、本物の民主主義など成立したことがない。戦後政治における日本の民主主義は、米国製の日本国憲法の制定から始まる。それは、国連憲章(前文)やパリ不戦条約(9条)から抜き出した理想主義の憲法だといわれる。例えば:http://peace.arrow.jp/tsc/131027/wake.pdf 占領政策、つまり日本の骨抜き遂行のための憲法である。

その理想主義憲法は、本物の民主主義の成立を妨害する野党勢力の誕生と、彼らの国会進出を助けた。更に占領軍は、現実的視点で将来の日本のリーダーとなりそうな人物を公職追放した。また、米国政界も赤色に汚染していたことが原因なのかもしれないが、占領軍は日本において社会主義政党を育成したのである。 https://www.sankei.com/politics/news/151223/plt1512230014-n1.html

その占領軍の政策のために成長した日本社会党に、政権を乗っ取られることを恐れた日本の現実主義政党の自由党(吉田茂、緒方竹虎;官僚派)と日本民主党(鳩山一郎、三木武吉、河野一郎、岸信介;党人派)が、保守合同で自由主義経済体制を守った。(55年体制)

この様な背景で、本来議論すべき二つの現実的政党である日本民主党と自由党が合併したため、まともな論争が国会から消えたのではないだろうか。日本国の政党であるものの、社会主義国からの司令で動く日本社会党と、現実主義政党とでは議論など成立する筈が無い。(補足2)それにより、議論のない政治が日本に定着し、無能な田舎者議員が永田町に多くなった。現在でも、USBという基本単語すら知らない大臣がいるというから驚きである。https://dot.asahi.com/wa/2018112400007.html

米国の赤狩りが一段落したのち、本来なら日本でもそれが行われ、自由民主党が本来の保守党と日本民主党に分裂し、議論する政治に回帰すべきであったと筆者は思う。

その後自民党の主力は、上記官僚派の吉田学校の卒業生が担う。そして、官僚的政治、つまり自己保身を優先して厳しい道を選択しない政治に終始することになった。その結果が、最初に紹介した様に、金日成や金正日の額を教室の前面に掲げ、生徒達を反日教育する学校に対して、私学助成金を与える日本の姿である。

4)日本政治の幼児性:
岸信介の不平等条約の改定後、官僚派の池田勇人や佐藤栄作が日本の政治を担当した。池田内閣は新生日本が幼児少年の段階から青年の段階に至るべきときに、米国依存のエコノミック・アニマルを目指した。それ以来、日本がまともな国に成長することが不可能となったのかもしれない。(池田内閣、1960年7月—1964年7月)

片岡哲哉という人が核武装なき憲法改正は日本を滅ぼすという本を書いた。その中に、キューバ危機などを経由して冷戦の中にあったとき、米国のニクソン大統領が佐藤栄作首相に日本の独自核武装を勧めたという記述がある。 https://blogs.yahoo.co.jp/mopyesr/43129251.html

上記ブログ記事から一節を抜粋する。
1972年1月、訪米した佐藤総理に対して、ニクソンはアジアでの日本の軍事的役割の拡大を主張したが、佐藤総理は「日本の国会と国民の圧倒的多数は、核兵器に反対している」と反論した。これは、ソ連と中国の脅威に対して、日本はアメリカと共に戦う意思はないと表明したことになる。しかし、日本は日米安保条約をあてにしないわけではない。日本は、この子供の論理から戦後四半世紀経っても抜けていないし、抜ける努力もなされていないと最高指導者は言ったのである。

この閉塞状況から抜け出す事を目指したのが、自民党元幹事長の小沢一郎である。小沢一郎は「日本改造計画」という本を出版し、そこで民主主義において個人主義的文化の定着する必要性を強調した。(補足3)更に、政権交代が可能な選挙制度として、小選挙区制を導入することになった。しかし、政治改革につながっていないのは、上記民族主義的全体主義の亜型である衆愚的地域主義が明治以降の日本政治に巣食っていることである。

以上、この数年に学んだ知識から、日本の政治の姿を書いた。玄人の方のコメントをいただければと思う。尚、筆者は国民の一人として、現在の安倍政権を今までの政権と違って一定の評価をしている。ただし、新移民法には反対である。

補足:

1)日航機ハイジャック事件のとき、時の福田赳夫首相は「(人質の)人命は地球よりも重い」と訳の分からないことを理由に、テロリストに巨額の活動資金と引き換えに人質解放を行った。これが大蔵事務次官上がりの政治家の典型だろう。外国人に国民栄誉賞を与えたり、隣国の宗教家を何も知らないくせに賛美したりで、人格下劣を極めても、大勲位菊花大綬章をこの国は授与したというから、「日本死ね」という言葉が庶民から出ても全く不思議ではない。https://yoshinori-kobayashi.com/9631/ 因みに群馬から総理大臣が4人も出たことと、長州の吉田松陰の義理の弟が初代県令になったこととは無縁ではないだろう。なお、長州(山口県)出身の総理大臣は8人である。https://honkawa2.sakura.ne.jp/5237.html https://www.sankei.com/region/news/150101/rgn1501010014-n1.html

2)社会党委員長の勝間田清一は、レフチェンコの証言などからソ連共産党のスパイであることが明らかになっている。また、社会党はソ連から政治資金を受けていたことが明らかになっている。(レフチェンコ文章、55年体制など参照)

3)2014年になって、政治学者の御厨貴が明らかにしたところによると、本書の執筆(協力)者は、「国内政治」は御厨(東京都立大学教授)と飯尾潤(埼玉大学講師)、「経済」は伊藤元重(東京大学助教授)と竹中平蔵(慶応大学助教授)、「外交・安全保障」は北岡伸一(立教大学教授)であったという。しかし、それを暴露した当人のTV番組での発言(昨年秋に終了)は、この本の中身とは比べ物にならないくらい退屈なものだった。

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