日本政府の隠蔽体質や捏造体質は、中国に極めてよく似ている。政治が独裁化する危険性も中国同様であり、その原因は、事大主義が特に政界を席巻しているからである。政界において、相互に批判する文化がない(=事大主義、儒教精神)のは、上級官僚、地方やマスコミの”貴族”から政治家になる人が多いからである。
政治改革には、政治の現実を国民が知る必要があると思うので、ここに再投稿する。(original 2014-11-02 18:49:14)
北朝鮮から拉致被害者の横田めぐみさんの遺骨として送られた骨を日本政府が鑑定して、めぐみさんのものではないと結論された。そして、声だかに日本のDNA鑑定の技術の高さが報道された。しかし、今日中部地方で放送された「たかじんのそこまで言って委員会」において、内閣参与の飯島勲氏は、次のようにこの件について発言した。それらは、1)鑑定者本人がイギリスのNature誌の取材に”偽物とも本物とも言えない”と答えたこと、そして、2)その事実が広がらない様に、鑑定者の学者を隔離したこと、そして、3)それらの手配は日本の外務省が行なった、の3点である。
この発言に驚き、ネット検索をしてみたところ、その件に関して国会の外務委員会で質疑されていたことを知った。それを記したサイトは、http://deztec.jp/design/06/07/02_science.htmlである。そこでの記述によると(第162回国会 外務委員会 第4号(平成17年3月30日(水曜日))、質問者は民主党の首藤信彦氏で答弁は町村信孝氏である。国会質疑の記録はクリックしても読めない(これも変だ)ので、上記サイトに引用された文章を読むしか無い。それによると、首藤氏の質問は論理一貫しているが、外務大臣の町村信孝氏は:
「ネイチャーが立派な雑誌であるということは私も承知をしておりますが、一々の報道等には、それは必要があれば反論してもいいのですが、私どもは一々それについて言う必要はない、こう考えております。
御指摘の取材を受けた関係者に対しても、これは私ども、直接というよりは捜査当局の方から事実関係を確認したわけでございますけれども、その関係者は取材の中で、焼かれた骨によるDNA鑑定の困難性一般論を述べたにとどまっておりまして、当該鑑定結果が確定的ではないんだという旨を言及したことではないということをその方が言っておられると私どもは聞いております。
いずれにいたしましても、この当該報道が今回私どもがやったこの鑑定結果に何らの影響を及ぼすものではない、私どもはそう判断をいたしております。」
と答弁しているが、説得力はない。
最初に引用したサイトによると、鑑定を担当した帝京大の吉井氏は警視庁に引き抜かれたという。これが今日のテレビ番組で飯田勲氏が「鑑定した学者を隔離した」の人事的な表現なのだろう。そして、質問した首藤信彦氏は衆議院議員選挙で落選した。
2005年のことであり、私は仕事に集中していた為深く考えなかったが、火葬した遺骨からDNA鑑定したということに疑問をもった記憶が甦って来た。そして、上記サイトによると、Nature誌はEditorialつまり、新聞で言えば社説にあたる部分で、この鑑定に疑問を呈したという。この件、日本の研究者の声も聞こえてこなかったため、不思議だと思いながらも深く考えなかった。しかし、私の専門である化学の常識によれば、火葬すれば核酸はすべて、二酸化炭素、酸化窒素、そして、リン酸化合物(リン酸塩)になる筈である。
この核酸の火葬による焼失は常識であり、鑑定者によって出された、横田めぐみさんのものではないという結論は、デッチあげかもしれないと思った。しかし、科学者は一般に自分の論文は、専門外の者は容易に理解できないと思っているから、逆に、専門外の分野の研究者が出した結論、つまりこのDNA鑑定には安易に口出し出来ない。ただ、上記サイトにある町村氏の説得力の無い答弁、鑑定した学者の警視庁への引き抜き、そして今回の飯田氏の発言から考えて、今はっきりと日本政府の捏造と言える。
日本政府のこの愚かな行為は、日本政府の体質を表わしており、全ての今までの政府声明に疑いを抱かせるものである。戦中戦後の様々な出来事について、韓国や中国ともめているが、それらのことについても日本政府が事実として発表していることは国際的にも国内的にも信じられないことになる。従って、私も今後ブログ等でこれらにことについて発言しないことにする。
一般の人は政府発表を信じているようである。例えば、ヤフーは次のサイトを類似記事としてreferしている。http://blogs.yahoo.co.jp/tncfn946/30415411.html 化学に無知な人は、このように火葬した骨からDNA鑑定できるという発表を信じてしまうのである。しかし私の記事は決してヤフーのreferenceに掲載されないだろう。
補足:上に引用した外務委員会での質疑は、現在見る事は出来ない。しかし、それをコピーして示したサイトをヤフー知恵袋で教えて貰ったので、下に示します。
赤字部分:日本の研究者は、その責任を果たしていない。研究者を職業としている者は、その分野で明らかに変だと思うことがあれば、社会に発信する義務がある。
追補:
拉致問題の本質は、日本政府が日本国民の自由と安全を守れなかったことにある。その政府の責任を隠すために、国交のない北朝鮮を国内の悪者のように仕立て上げ、国民の頭の中に一般の犯罪と同様に植え付けている。解決は、北朝鮮に経済的軍事的圧力を掛けることしかない。それは最終的に戦争も視野に入れなければ出来ないことである。つまり、拉致問題の本質は憲法前文と憲法9条が、現実の国際政治において、欺瞞的であることを示している。拉致問題は、現在の与野党議員の全員が、自分の利益を最優先して、国家の基礎を構築してこなかったことの証明である。
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