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2020年7月5日日曜日

中国習近平政権は、計画経済に戻る覚悟なのだろうか?

香港大紀元新唐人ニュースの7月4日のyoutube動画などによると、中国共産党政府常務委員会は、6月30日に香港に国家安全法(国安法)の適用を可決、その内容を7月1日午前0時に公表し、直ちに施行した。条文は6章66条からなり、その内容は香港の自由と法治の基礎を徹底的に破壊するものであるという。https://www.youtube.com/watch?v=j4zcv-KbqC4

 

ある評論によると、中共の命運を懸けて最後の戦いに出たと解釈される。国安法第38条には、「香港特別行政区の永住権を持っていないものが、香港特別区以外の場所で国安法に違反したものも、この法が適用される」と書かれている。(補足1)

 

従って、中国人以外が中国の外で国安法に違反するような行為や発言、例えば「中国共産党政権は無くなった方が良い」と言う類の発言、をしただけでも、この法により罰せられる。つまり、香港に入ったとたんに逮捕される可能性が高くなる。まるで、世界中の自由と法治を重視する人々に対し、挑戦状を突きつけるような法律である。

 

中国は常々、「内政干渉をすべきでない」と言う言葉を使うが、今回の国安法は世界中の国家の内政に重大な干渉をしていることに気付いていないのだろうか?気が狂ったとしか思えない。

 

また、香港行政長官は、国安法の裁判をする裁判官の指名と認定の権限、更迭の権限を持つことになる。この規定は、司法の独立を完全に無視したものである。大紀元時報のコラムニストは、「国安方は中共に対して不満を持つ人を漏れなく消すために作られたもの」と言っている。

 

ポンペオ国務長官が、「中共が各国に選択を迫っている。その選択とは、米中のどちらかではなく、自由と暴政のどちらかを選ぶかである」と指摘した。

 

米国議会が制裁のために用意した香港自治法案は、既に上下両院を通過しており、トランプ大統領の署名を待つだけとなっている。この法案では、香港自治の抑圧に関係した高官、官僚、組織、金融機関に対して米国が制裁を課すことができる。

 

中国高官の制裁としては、該当個人の資産凍結や米国入国のビザの発給差し止めなどが考えられ、多くの資産を米国に持ち込んだ中国高官にとっては非常に厳しい内容である。この法律にトランプが署名して成立すれば、この香港国安法制定に携わった者たちに対する反感が中国国内でも起こるだろう。

 

それを知っているので、中国はこの香港自治権法が成立した場合、制裁措置を取ると脅かしている。例えば、第一次貿易交渉での700億ドルの取引破棄も考えられるが、もはや問題はそのようなものよりも遥かに大きくなっている。米国の反発は、共和党民主党を問わないだろう。700億ドルの取引のために、香港自治法案に署名しないという選択はトランプにはないだろう。

 

今後、香港の金融センターとしての機能がなくなり、中国は経済的に欧米諸国から離反するだろう。それは巨大な損と世界に新型コロナ以上の強烈なインパクトを与えるだろう。例えば、中国は外貨の殆どを香港の銀行を通して入手してきたと言われる。その香港の銀行は、米国が支配する金融システムSWIFT(補足2)を通して、海外の銀行から国際通貨の米ドルを入手してきた。それが出来なくなると、その影響は甚大である。

 

勿論、輸出で得た米ドルを使っての取引は、あまり迅速(SWIFT)でなくて良いなら、できるだろう。しかし、利便性を失った香港や中国からは、外国企業は脱出する筈で、中国経済は破綻状態になるのではないだろうか。

 

6月25日に、「米中経済隔絶は起こらない:大山鳴動ネズミ一匹?」と題して、中国高官の私的メモらしきものを、youtubeでみて紹介した。そこに書かれていたのは、中国政府が計画経済に戻ることも考えているのではないかという内容である。 

https://www.youtube.com/watch?v=7-fgFfPO67Q

 

そうはならないだろうと思って書いたのだが、安全装置として最後に?をつけた。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12606678556.html 今後、そのシナリオに沿って多少(又はかなり)動く可能性が出てきたと思う。

 

 

補足:

 

1)同法の38条は、引用動画の画面では、「不具有香港特別行政區永久性居民分份的人在香港特別行政區以外針對香港特別行政區實施本法規定的犯罪的、適用本法。」と読める。これを“グーグル翻訳”で訳すると、「この法律に基づき、香港特別行政区外の香港特別行政区に対して犯罪を犯した香港特別行政区の永住権を持たない人は、この法律を適用するものとします。」となる。

 

2)日本国内でも銀行間の送金は、日銀当座預金の残高を書き換えることで為される。それと似た考え方で、国際間の銀行間取引も理解されるという。そのシステムをSWIFTと呼び、ベルギーにその運用本部(民間の株式会社)がある。この件、DEEP MAXさんが、解説しています。https://www.youtube.com/watch?v=e3MFg9haNFc

ただ、本質的に外貨の中心は米ドルであり、ニューヨークの連銀の発行する通貨である。従って、そこの口座にアクセス出来なければ、SWIFTであれもっと不便な方法であれ、外国からの資本の導入など不可能になる。勿論、連銀も民間の株式会社なので、金融制裁にはその筋の方の強烈な反対があれば出来ないかもしれない。

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