1)マスクを嫌う米国人:
欧米でCOVID-19 (以下新型コロナと略記)の被害が大きく、特に米国で深刻である。それに比較して、日本やアジア圏での被害が相当少ない。その中で、「新型コロナは普通の風邪だ」とか「日本人には集団免疫が既にある」と言うたぐいのインチキ学説を出す人も居る。
欧米での深刻な被害の原因の第一は、おそらくマスク着用をしっかりせず、大きな声で自己主張する文化だろう。個人の自由を主張する彼らには、マスクを首輪とか猿轡(さるぐつわ)のように感じるようだ。
上は、米国の集会で、マスク強制着用に反対する人たちの写真である。パネルのmuzzuleは犬などに取り付ける口輪を意味する。全体を訳すると、「我々は口輪を拒否する。マスクの強制着用にはNOだ!」。7月20日の英国BBCが報じた記事:“コロナウイルス:何故米国人はマスクに関して怒るのか(Coronavirus: Why are Americans so angry about masks?)”にある。https://www.bbc.com/news/world-53446827
米国では、マスク論争のほとんど中心部分に、マスクを嫌うトランプ大統領が居る。つまり、政治闘争とマスク紛争が二重らせんとなって、巨大なハリケーンになっているような感じである。そして、その背景に、自由を国是としてきた米国の文化がある。(補足1)新型コロナは英米では明らかに男性の方が女性よりも被害が大きい。それは、マスクを拒否する人が男性に多いからだと、別のBBCニュースには書かれている。
WHO(国際保健機構)は、医療関係者と既に咳やクシャミの症状がある人以外は、マスク着用は不要としてきた。しかし、6月にその指示を変更した。新型コロナ感染者の多くは無症状でも、他人に伝染させること、つまり、会話の際にエアロゾルとなった感染者の唾液から感染が起こる場合が多いということが分かったからである。
https://www.bbc.com/news/world-53394525
2)日本人やアジア人に免疫があるわけではない。
私は6月の18日に、日本での低い感染率はウイルスが伝染しにくい社会だからだと書いた。つまり、帰宅したときに手を洗い、マスクをすることを嫌わないなどの文化を持つということである。この結論は、日本では新型コロナの感染率が、欧米に比較して非常に低いこと(抗体検査の結果)により裏付けされる。https://rcbyspinmanipulation.blogspot.com/2020/06/x.html
インフルエンザと異なり、夏でも流行があまり減らないのは、会話、歌唱、声援など発声に伴って放出された唾液の飛沫による感染が多いことを示している。そこで、6月24日「新型コロナ対策としてカラオケやライブハウスを遠分禁止すべき」という記事を書いた。https://rcbyspinmanipulation.blogspot.com/2020/06/blog-post_67.html
韓国など東アジア全体でも揃って被害が少ないのも、同様の理由だろう。仏教圏では、大声で自己主張する人は少ないのである。
ただ、アジア人に共通して、新型コロナに強い生来の免疫的特性(或いは、集団免疫の獲得済など)があるという人も居るが、それは違う。
7月25日に、新型コロナによる被害の統計が、人種の坩堝であるカリフォルニアで公表された。そこには、人種や民族での違いが少ないことが、統計結果として示されている。(既に、この概略は米国のどこかから公表されていた。)
上の表では、新型コロナでの死亡率は、アジア人は平均よりも多少高いくらいである。詳しくは元報を見ていただきたい。(追補に若干わかり易い表を掲載しました)
https://www.cdph.ca.gov/Programs/CID/DCDC/Pages/COVID-19/Race-Ethnicity.aspx
3)新型コロナからの防衛について補足
新型コロナからの防衛は、最初から100%防衛を目指すべきではない。理想を目指すことで失敗するのは、頭でっかちな人の常である。実行可能な方法をかんがえるべき。それは、概ね京大の宮沢准教授の意見に沿うことである。https://www.youtube.com/watch?v=P_60Emw32uI&t=440s
以前の文章の繰り返しになるが、敢えて書く。重要なポイントは:
新型コロナでもインフルエンザでも感染するのは、一定量以上のウイルスが体内に入った時である事。そして、大抵の場合、微粒子状の唾液または付着した唾液を介して感染するので、それを取り込まないようにする。それを具体的表現に替えれば:
①声を出さなければ、ソーシャルディスタンスはほとんど取らなくても良い。(補足2)
②マスクをしっかりしていれば、そして付着した唾液等に触らなければ感染は99%防止できる。(触ったときは手をすぐ洗うこと、その手で他を触らないこと)
③手を洗う場面でも、30秒間各指の間や周囲を念入りに石鹸でこする必要があると指導する人が多いが、本当は流水や濡れティッシュででも早期に指先を洗った方が良い。丁寧な手洗いは、帰宅後にすれば良い。
④目からも感染するので、何処かに触った手で目の周りに触らないことも大事。また、マスクをしていれば安全だとして、目を警戒せずに話をすれば、感染する危険性がある。(補足3)
ただ、マスクをしっかりすることは相当難しい。それは冬にメガネが曇らないようにマスクをすることが難しいことでもわかる。逆に、マスクがしっかり出来ているかどうかは、メガネをつけることでチェックしたほうが良い。企業の方は、マスクの改良をし、そのマスクの着用方法を確立すべき。
今後、冬に向けて、接触感染にも十分注意すべき:(補足4)
唾液がついている可能性のあるドアノブや手すりには触らない。触った時には忘れない内に流水或いは濡れティッシュ−などで拭く。外出から帰宅したとき、マスクを外して、手を洗い、顔を洗って、うがい(喉、鼻)をする。マスクの再利用はさける。
鼻汁や痰なども非常に危険なので、落ちているティッシュには、落ちているマスク同様触らない。感染者の消化管に潜む場合もあるので、トイレの水は蓋をして流す。
追補: (7/27/16:30追加)
上の表は、本文中の表から再計算したものである。感染率(rl)、死亡率(rl)は、人口割合の数字(%)で、感染者数と死亡者数を割算した値である。カリフォルニアでの夫々の民族の相対的感染率及び相対的死亡率を表す。カリフォルニアの人口は約3900万人なので、例えばアジア系の場合人口39万人あたり、18歳以上の死者数は、65.2人ということになる。その人口あたりの全コロナ肺炎での死者数は、0−17歳の分も加えなければならない。
17歳以上のデータを採用したのは、家庭環境の影響を出来るだけ省くためである。ここではラテン系の感染者、死亡者が大きいことが注目される。
補足:
1)私には、キリスト教福音派(キリスト教でも保守的)が多いトランプ支持者には、イスラムの女性の顔を隠す姿が脳裏に浮かんでいる可能性も感じる。
2)対面で話すのは避けた方が良いが、そうなった時でもしっかりマスクを着けていれば良い。一切声を出さなければ、最悪換気の無い部屋でも大丈夫だろう。アクリルの唾液防止版は、咳やクシャミからの防衛以外の意味はない。(ただ、脇から空気が漏れるマスクの掛け方では、マスクをしたことにならない。声を出さなくても、換気の悪い部屋は避けた方が無難。アクリルの防御板は、クシャミの直撃を避けるには良い。)
3)目からの感染を完全防止するにはゴーグルをするしかない。メガネもゴーグル的なものを用いると良いだろう。
4)季節因子は、水の蒸発速度と関係がある。冬は温度が低いので、水分の蒸発が遅く、温度も低いので、ドアノブなどに付着いたウイルスの感染力が長く維持される。また、冬に部屋を暖房すると、喉が乾燥して、感染しやすくなるだろう。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12613216732.html
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