6月29日掲載した記事、間違って削除しましたので、再録します。
実際に新型コロナ関連でどの程度死者が出たか、日本の不完全な検査実施と統計ではわからない。おそらく実際の数字の数倍程度の被害が出ていただろう。それを考える情報として、いわゆる超過死亡という統計がある。数年間の(例えば週間)平均死者数のグラフから今年の死者数の曲線のはみ出た部分が超過死亡数である。下図にフランスの超過死亡の図を示す。点線が5年間の平均死亡数を表す。https://ourworldindata.org/excess-mortality-covid
今年1−3月の平均死亡数より低い死亡者数は、気候の問題や、インフルエンザがあまり流行しなかったなどの理由があったのだろう。(補足1)3月中旬から死亡数が急激に増加している。恐らく新型コロナ関連の死亡者だろう。その中には、別の死因として届けられた死亡者数も入る。赤い部分に相当するのは発表された新型コロナの死者数を上の部分においた結果である。
4月中頃から赤い部分が平均値以下のところに食い込んでいるのは、それ以前に老齢の方が多数新型コロナで死亡したので、それ以外の原因で死亡する人が減少したのだろう。このようにわかりやすく表示できたのは、フランスでの新型コロナの被害が大きかったことと、フランスの統計の信頼性が高いことを証明している。
東京の場合、
週毎の統計でないので、わかりにくいが、3月と4月の合計で超過死亡は1380名である。つまり、5年間の平均からのズレは3月325名、4月1055名だ。そのうち新型コロナでの死者とされた人数は200人程度だろうから、全く解析にしようがない。尚、2月に相当のマイナスの超過死亡があった。これは下に示す諸外国でも共通している。このことについては、後でもう一度触れる。
3月と4月の統計を見る限り、新型コロナでの死亡者は東京都の発表の少なくとも5倍程度あったと考えられる。兎に角、日本のデータは最初から誤魔化しのための数字が並ぶだけで、そこからなにかの情報が得られる類のものではない。
https://www.sankei.com/life/news/200612/lif2006120051-n1.html
最下段に示したのは、その他の場所での超過死亡のグラフである。何れも、超過死亡数は発表された新型コロナでの死者数とずれているが、実際のコロナ関連死やそこでの統計と情報公開のあり方など、有用な情報がえられるだろう。例えば、スウェーデンの超過死亡数は、平均死亡数の上に、追加された状況である。これは、他国とことなる集団免疫戦略をとっているためだろう。つまり、5月に新型コロナ以外での死亡数が平年値にほぼ等しいのは、フランスのところで説明したようなメカニズム(余命わずかの人たちが、1−2ヶ月早く新型コロナ肺炎で死亡したため)が、働かなかったからだろう。
上の東京を含め、多くの国や市で、今年2月ー3月に死亡数が平年値より減少している。それは、新型コロナの発生を報道で知り、警戒する人が増加したためと思われる。つまり、かなりの割合の人が衛生的な生活に心がけるようになったためだろう。下図では、唯一の例外はNew York 市である。これも、今年のシーズン、米国はインフルエンザが流行したことで、説明がつく。https://www.nikkei.com/article/DGXMZO55312830W0A200C2000000/
(最後の節は、6月30日午前5時追加;更に全体の修正)
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