米国左翼の大物であるジョージ・ソロスが3つの記事で習近平を批判したことが、ニュースになっている。Wall Street Journal(WST)掲載の記事2本(最近のは9/6)とFinancial Times (FT、8/30)の記事である。
Harano Timesさんの動画2本(https://www.youtube.com/watch?v=7zgfF91zDhIとhttps://www.youtube.com/watch?v=r-basoYxJ5w)及び、及川幸久氏(https://www.youtube.com/watch?v=fYigp_fidGM)が、今回のソロスの意見を紹介している。
ジョージ・ソロスはそれらの記事で、習近平はマーケットの仕組みを理解していない。全ての中国企業を1党独裁の道具と見做していると指摘している。そして、ブラックロックという世界最大の投資ファンド(米国の年金基金)が最近発表した中国へ多額の投資を批判し、議会は中国への投資を制限する法律を作るべきだと言っている。
WSJの記事のタイトル:“BlackRock’s China Blunder”、Pouring billions into the country now is a bad investment and imperils U.S. national security. ブラックロック(世界最大の投資ファンド、米国の年金基金)による中国の失敗:今その国(中国)へ数十億ドル注ぐことはわるい投資であり、米国の国家安全保障を脅かす。
及川氏は、中国で経済危機が起こる可能性が高いこと、例えば恒大集団など不動産企業が次々と破綻したら、リーマンショックどころではないと、ジョージ・ソロスのその指摘を高く評価している。
ソロスはWSJの記事で、習近平は毛沢東の独裁政治に回帰する道を歩んでおり、開かれた社会の敵であると批判している。この記事の内容に関して、HaranoTimesさんは、ソロスは米国の共産主義勢力を支援しているのに、「習近平は開かれた社会の敵である」との批判は何か変だと、その非論理性を指摘している。
そして、習近平はレーニン式マルクス主義者だが、ジョージ・ソロスは文化的マルクス主義を信奉していると言っている。つまり、批判の裏にイデオロギーの違いが存在するという解釈を披露している。米国の文化的マルクス主義には、ユダヤ的ユートピア意識があるとすれば、その指摘は正解に近いかもしれない。兎に角、習近平の中国が米国のグローバリストらと、本当は対立する立場にあったことを、ソロスが漸く知ることになったのだろう。
2)ソロスは、中国共産党政権を利用して、彼らの世界帝国を築くことを考えていた?
このソロスと習近平の対立について、明快な解説が大紀元エポックタイムズ系の遠見快評という動画サイトに現れた。この考えに全く賛成であるが、かなり危険な内容と見えて、大紀元エポックタイムズは、自分達の公式見解ではないという注意書きを添えている。
この解釈は、前回のブログ記事の第3節の内容と殆ど同じであり、そこでは以下の様に書いた。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12696702704.html
中国共産党政権が成長し、中央アジアからアラブ諸国をその勢力圏に収めることは、米国の支配層グローバリスト達にとっては、中国も最終的には飲み込むことが可能だと考える限り、歓迎すべきことであった。その共通項は、マルクス主義である。
過去のブログでも何度か書いている。中国共産党政権が目指すのは、鄧小平から習近平まで一貫して中国共産党幹部による中華世界帝国である。共産主義思想とは何の関係もない。そして、ジョージ・ソロスらが目指すのも、彼らを中心としたユダヤ思想的世界帝国の実現であり、これも元々のプロレタリアートの権利拡大の思想とは関係はない。
ジョージ・ソロスらは、習近平が居なくなり鄧小平から胡錦濤までの中国に戻れば、再び中国と協力できると思っている可能性が大きい。それは遠見快評の唐靖遠氏の言っている通りだと思う。
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