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人類史の本流は中華秩序なのか、それとも西欧型秩序なのか

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2021年9月24日金曜日

高市議員が日本の首相になることに反対する

高市早苗議員が、自分からの意志として、この20日に台湾の蔡英文総統と会談を行なった。この台湾問題に関する前のめりの姿勢は決して評価されない。それは日本の首相になったあと、台湾との関係を今以上に進めることを台湾だけでなく、国際的に表明したことになるからである。

 

これで、高市氏が首相になれば、中国との関係が一層悪化することは目に見えている。これは日本国民の1人として非常な脅威である。それは、日中平和友好条約に反する方向の行為だからである。この条約は、1972年に出された日中共同宣言を基礎とし、そこに記載されたことを確認する形で締結された。

 

そこ(共同声明)には、中国共産党政権が中国で唯一の政権であり、台湾は中国の一部であることが明記され、日本もそれを理解し尊重すると記されている。日本が、その原則を無視する行動を取れば、日中平和友好条約を実質的に破棄することに等しい。そう中国が理解した場合、躊躇なくこの条約を破棄するだろう。

 

その時、正面から核ミサイルを多数向けている中国と軍事的に対立することになる。日本がそのような態度を明確にすることは、身の程知らずというものだろう。実際、その動きを牽制するためか、今年7月には日本を先制核攻撃すべきだという動画が中国で流れた。(補足1)https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12688574680.html 

 

兎に角、中国にたいして筋を通すには、それなりの軍事力がなければならない。それに加えて、覇権国の一方の米国との間に揺るぎない軍事同盟がなければならない。日本は、憲法に軍事力を持たないという9条2項があるため、その何方も持つ資格さえない。(補足2)

 

また高市氏は、「靖国参拝は個人の信仰の自由の範囲内だ」とテレビで言っていた。報道では、高市氏は首相になっても靖国参拝するだろうと言われている。しかし、その姿勢は、国際条約(サンフランシスコ平和条約)を無視することだと14日の記事で指摘した。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12697976286.html

 

高市氏は、条約の重みが十分わかっておられないように思う。或は、単に米国バイデン政権とその背後にある米国支配層の手先として振る舞っているだけかもしれない。以前高市氏を応援するような文章を書いたと記憶するが、ここでそれを否定し、高市氏を応援しないことを明言する。

 

自民党の代議士では高市氏の他、麻生副総理が、台湾海峡などで何か重大な事態が発生した場合、日本は存立危機事態と見なして対応しなければならないという発言を行なった。これは日本が台湾問題で、米国の犬として働くという宣言に他ならない。

 

しかし、上述のように日本は憲法改正や日本国民の希薄な国防意識など、そのような自衛隊の行動を支持する準備ができていない。自民党は、米国の犬としてしか能のない右派と、幼稚な理想論や子供庁の創成といったどうでも良いことで誤魔化す政治家で9割方占められている。

 

 

 

 

 

2)日本と米国との関係

 

日本は安倍総理のとき、QUADという日本、米国、オーストラリア、インドの首脳や外相による安全保障や経済を協議する枠組みを提唱した。

 

 

そして、実際に四カ国間で首脳会談が行われたようである。https://www.nikkei.com/article/DGXZQODE11A7R0R10C21A3000000/

 

しかし、これは英連邦のファイブ・アイズのような文書を交換した協定や条約でなく、二国間同盟を組んでいる日本、アメリカ合衆国、オーストラリアおよびインドの四カ国間における非公式な会談である。(ウイキペディア参照)実際米国は、アジア版NATOのようなものではないと明言している。https://www.donga.com/jp/article/all/20210510/2634469/1

 

一方先日、AUKUSという米英豪の三カ国間軍事同盟が締結された。オーストラリアは、一旦結んだフランスとの潜水艦の契約を破棄して、米国の支援で原子力潜水艦の保持を進めるようである。これは、本格的な新しい強固な軍事同盟であり、太平洋のパワーバランスを中国一強から大きくイコールバランスに移動させるものである。

 

これは中国に脅威を抱く国々には朗報かもしれないが、日本は微妙である。何故なら、米国のインド太平洋構想において、東北アジアを軽く見る可能性を示唆したものだからである。(これは筆者の単なる幻想かもしれません。念のためお断りしておきます。)

 

何故なら、東北アジアにはロシアや中国という今や米国や英国と利益を共有できない大国のほか、韓国、北朝鮮という西欧の論理がまともに通じない国が集まっているからである。日本も後者のグループの一員でもあるが、西欧に学ぶ姿勢を明治以来強く持ち続けたくそ真面目さがある。そこで、南方への波及を防ぐ防波堤に使えると、米英は考えているのだろう。

 

現在の中国は、はっきり言って、世界の民主主義的体制を取る先進諸国から総スカンを食っている情況である。その一方、台湾を支援する声が大きい。特に米国や英国等の英語圏は、台湾を独立国として認めようという雰囲気を醸し出している。それは本気なのか、国際的雰囲気作りなのか解らない。https://www.fnn.jp/articles/-/237929

 

結論を繰り返すと、何事を行うにも「準備が先で次に行動」というのが正常な姿である。高市氏も、麻生氏も、何の準備も出来ていないのに、準備以前に台湾を応援し中国を刺激して、日本国民をわざわざ中国の核兵器の標的とする愚挙は避けるべきだ。

 

補足:

 

1)7月の動画は脅しだが、イザとなれば最初に核攻撃の標的になるのは日本だろう。その後、出来れば紳士的に振る舞いたいと言明する中国に対して、米国も十分に中国の恐ろしさを理解して、対中姿勢を柔軟路線に変更するだろう。中国から日本への核攻撃は、米中の本格的対決の引き金ではなく、消火器となるだろう

 

2)ここで思い出すべきは、ニクソン訪中の際、周恩来とキッシンジャーの間で、日米安全保障条約は日本の軍国化を防ぐための“瓶の蓋”であり、日本は絶対に核武装させないという極秘の話がなされたという話である。それを裏付けるように、在米の伊藤貫氏は、国務省の人は殆ど日本は最後まで核武装させないと言っていると証言している。

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