北朝鮮は核兵器の小型化に成功しており、ミサイルに搭載済みであると、北朝鮮および米国は言っている。しかし、それは本当か?
日経新聞の8月9日配信の記事では、米国ワシントンポスト紙の記事を引用して、アメリカ国防情報局の発表によれば、北朝鮮は既に弾道ミサイルに搭載可能な核兵器開発に成功していると報じた。
https://www.nikkei.com/article/DGXLASGN09H13_Z00C17A8000000/
また、北朝鮮も既に米国を核兵器で攻撃するという脅しを用いている。
この二つの情報から、純情な日本人は北朝鮮が核兵器の小型化に成功して、既に実戦配備していると信じるのは無理がない。しかし、私はこの情報を疑っている。つまり、北朝鮮が更に核実験がしたいのは、この小型化のためであり、従ってまだそれに成功していないと思う。
米国ワシントンポストが上記報道をしたのは、いざとなった場合の北朝鮮爆撃の口実を準備するためであり(補足1)、北朝鮮の発表は空のポケットに手を突っ込んで、ピストルを握っているフリをしていると考えるべきだろう。つまり、必死に時間稼ぎをしていると見る。場合によっては、馬渕睦夫さんがいうように、両者が連んでいる可能性すらある。
8月末の根室沖へのミサイル発射が、どうも失敗だった模様である。多弾頭ミサイル実験かと思ったが、予定よりも飛行距離が短いという話を信じれば、大気圏に突入の際に分解した可能性がある。断熱圧縮された空気による弾頭の加熱を克服できなかったのかもしれない。
そう考えると、核兵器をミサイルに搭載するには、未だ二つの障壁が残っている可能性もある。核の小型化と大気圏突入の際に弾頭部分を守る技術である。
マティス氏やティラーソン氏が対話を重視する発言をしているのは、伝統的な米国支配層の考えで、それはトランプ大統領の強硬解決の考えとことなる。両者が役割分担をしていると見る向きもあるが、そうではなく政権内の綱引の可能性がある。
もし、北朝鮮がミサイルに核兵器を搭載する技術を完成していないのなら、トランプ大統領の強硬策の方が問題を大きくしないうちの解決につながる。日本は独自に、もっとも大事なその情報を得る努力をしているのだろうか?
補足:
1)イラクが大量破壊兵器を保有していることを理由に、戦争を始めた米国を思い出すべきである。http://www.jca.apc.org/stopUSwar/Iraq/duelfer_report.htm
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