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2017年9月14日木曜日

日本の北朝鮮核装備への対応は根本的に間違っている 

安倍総理はインドで、北朝鮮への制裁を強めるべきだという共同声明を発表した。私は、何故日本が対北朝鮮制裁の先頭に立つのかさっぱりわからない。強大な軍事力を持つ米国の前にたって、十分な報復能力もない日本が北朝鮮の矢面に立つのは愚かなことである。

北朝鮮の当面の敵は、朝鮮戦争の当事者である米国及び韓国である。従って、米国が攻撃された場合、集団的自衛権の規定により日本も参戦する必要があるが、最初の一発が撃たれない限り、日本は当事者ではない。もちろん、国連加盟国として、国連の制裁決議があったと言う点では、制裁の当事者である。その場合は、英国やフィリピンなどと同程度に制裁を主張すればよいことである。

日本が今後取るべき方向は二つある。一つは、現在の憲法に従って平和主義を完徹する方向である。日本では核保持はおろか、国際紛争を解決する手段としての軍事力さえ持たないと言う憲法を、未だに堅持している。もし、そのような憲法を持つ平和主義をとるのなら、集団的自衛権の行使は明らかに憲法違反である。

日本国民の総意がそのような平和主義なら、安倍総理の国連で制裁決議を出したり、各国を回っての制裁強化をすべきとの声明は、非難されるべきである。野党は不信任決議案の提出を直ちにすべきである。集団的自衛権行使を可能にした法は廃止すべきである。日米安保条約も、日本が米国の戦争に巻き込まれるだけであるから、解消すべきである。

二つ目は、憲法を改正して自衛軍を持ち、歴史的経緯と一国だけの軍事力の限界も考えて、米国との軍事同盟を対等な形に強化する方向である。その場合、核兵器とそのボタンの両方を完全に米国に依存するのは、対等ではないので、自国で核軍備をするか、核兵器を米国にシェアさせてもらい、核のボタンを我が国が持つべきである。

これらのうち、最初の方向は非現実的であるのは言うまでもない。国際政治においては、軍事力があってこそ、対等な立場でのの交渉外交が可能となるからである。もし、そのような状態であれば、中国に沖縄までの領土領海は、2-3年で奪い取られるだろう。数10年すれば、日本民族はかつてのユダヤの民の様に世界に散らばり虐待の対象になるだろう。

結局後者の方向しか、日本には残されていない。その方向を明確にとり、日本の独立性を確保すれば、米国の操り人形のように、各国を回って北朝鮮の制裁決議を宣伝する必要がなくなるのである。その方向に米国の同意がただちに得られないのなら、交渉すべきは米国であり、インドなどの国ではない。(補足1)

上記の様な二つの道を敢えて書いたのは、現在の日本は論理的には本来あり得ない二つの道の混合状態をゾンビ国家のように歩んでいる。それは言葉を話す人間を構成員とするまともな国家の採る方針ではない。そのいい加減な状態が、現在単に敵対する可能性しかない国(北朝鮮)から訳もなく脅されたり、現在一応同盟国となっている国から軽蔑され信用されない原因となっている。そのことに何故、政治家たちは、そして彼らを選ぶ国民は気づかないのか。

兎に角、憲法9条二項を完全に自衛軍を持つと言うふうに変更する議論を、国会だけでなく国民とともに始めるべきである(補足2)。そして、米国とも核のシェアリングについて話し合うべきである。論理的で信用のある国家としての再出発を演出すべきであると思う。

もちろん、いろんな方向で国将来を考えることは、米国の姿勢が内向きになる場合などを想定すれば、非常に大切であると思う。そのためには、ロシアとの関係や中国との関係なども考えるべきだろう。しかし、その際、両国の歴史や文化、考え方の日本との違いなど、両国を十分研究して戦略をたてるべきである。

第二次大戦で大敗を喫したのは、相手の研究や多くの知性を持つ個人の考えを集積して戦略を立てるという普通の方法が、日本では取れなかったからである。その状態は今も変わっていない様に思える。

(加筆修正:9/15 am) 補足:
1)もちろん、インドから核兵器をこっそりと調達するために訪問したのなら、そしてそのための日印同盟の雰囲気作りのためなら、評価できるのだが、おそらくそのようなことではないだろう。
2)下らないJーアラートを鳴らして、国民を脅すよりも、国民に憲法を考えさせるCーアラートを鳴らすべきである。Cが憲法(英語)のCである。

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