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2020年4月12日日曜日

国と国家のあり方について考える:(2)国の動物モデルの詳細

同じ題でアップした前回の話では、国は、国民を基本構成要素とするが、一方国民は何らかの機能体組織に所属し、それら機能体組織が集まって共同体としての国を形成していると書いた。ここでは、国と国民の関係についてもう少し詳細に考える。

 

国には多くの役割があり、国民の間でその分担がなされている。「上記モデル」において、個人は臓器などの細胞に相当する。個人は長期的にも短期的にも、人生のおよそ1/3の時間だけ、其々の機能体としての組織(会社、中央・地方政府、各種法人、中小及び個人企業)に所属し、その機能維持と繁栄のために働くことで生きるための資材を購入する。

 

国を動物、会社等を臓器など器官、国民を細胞と、其々置き換えれば、上記モデルは容易に理解できるだろう。ここで、国民は十分にその組織に貢献するため、知識等を専門化しなければならない。国での教育過程は、動物では卵から胎子のときの分化に相当する。

 

更に考える為に、視点を動物側に移す。動物では、専門的機能を果たし得なくなった細胞は、表皮組織等は外界に捨てられる。内部では分解され再利用の対象となる。それぞれの器官の(専門化した)細胞のかなりの部分が、十分能力を発揮しなくなった段階で、器官そのものが機能不全となり、動物は病を得る。それらの現象を、国家に当てはめれば、容易に社会での対応する出来事に置き換える事ができるだろう。

 

勿論、病気には上記のような内因性のものもあるが、外因性のもの、細菌やウイルスの侵略によるものもある。更に、命の危険となるのは、他の動物による襲撃である。それらに該当する事態は、国に置いても存在し、それらへの対応も動物モデルで解釈可能だろう。そして、我が国に足らないものは何かを考えるヒントもあるだろう。

 

皮膚や上皮細胞は、外界と接触する組織であり、国に該当するのは国境だろう。免疫システムは言うまでもなく、警察に相当する。四肢による身体能力は、国家の軍に相当する。

 

各器官は、動物全体として必要な機能よりも過剰に働きすぎた場合でも病気となる。従って、その必要な仕事量は、互いに情報連絡することで調節される。例えば、体液量の調節は、口からの水分摂取と腎臓から尿として排泄することで行われる。前回記したように、腎臓からの排泄量は、腎臓、副腎、心臓など、関係する臓器が互いに連絡しあって、緻密に調節される。

 

レニンは腎臓の糸球体から、アンジオテンシンは肝臓などから、アルドステロンは副腎から、ANPは心臓の主に心房から、BNPは主に心室から、其々連絡のためのホルモンとして放出される。(補足1)

 

血管系と血液、及びリンパ管系とリンパは、全体として社会の公空間に相当し、国おける情報伝達と世論(ホルモンの生成と伝達)の他、金融(酸素とグルコース)、資材(脂肪酸やアミノ酸等)などの流通の場でもある。また、脳から出た命令は神経によって、直接器官に届けられる。それに該当する国でのシステムは、言うまでもなく国家組織である。

 

以上、国の動物モデルにおける、其々の対応について書いた。このモデルで、社会での国家組織や個人の役割のあり方を論じることができる可能性がある。特に議論したいのが、愛国心と防衛の問題である。どれだけ出来るか分からないが、続けて行きたい。

 

補足:

 

1)レニンは肝臓等から放出されたアンジオテンシンの前駆体(アンジオテンシノーゲン)をアンジオテンシンIからIIに変換する役割がある。アンジオテンシンIIは血管収縮を促すほか、副腎からアルドステロンの分泌を促す。アルドステロンは、腎臓からのナトリウムイオンの再吸収を促進し、全体として体液量を増す。体液量が増すと、心臓の負担が大きくなるので、BNPやANPというホルモンを放出して、上記レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系を抑制し、腎臓からの利尿を促進する。

(素人です。少し大学で俄勉強した経験はあります。)

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