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2020年4月12日日曜日

新型コロナ肺炎:ドイツと日本の致死率推移

日本も漸く本腰になって新型コロナ肺炎と対決する姿勢を示すようになった。国民の危機感、特に若い人の危機感が今ひとつであったが、緊急事態宣言を都道府県や国が出すに至って、漸くそれに従うという感じになった。

 

国は超大型と言ったが、その緊急経済対策は中身の今ひとつ薄いものとの批判が多い。日本の財務官僚は、財政再建のことばかり考えているが、それは理系の知識が豊富な元財務官僚の高橋洋一氏によれば、財務官僚は貸借対照表に関する知識が薄いからだという。それを聞いた時、本当に驚いた。

 

国の債務(ライアビリティー)は経済拡大とともに大きくなるのが自然な姿なのに、家計と同じ感覚で借金の増加と考えてしまうそうである。本当に東大、否大学出ているのか?と言いたくなる。たかが16.8兆円の補正予算なのに、事業規模108兆円というレトリックを抵抗なく身につけるのは、大学で思考力をつけることなど無かったからだろう。https://www.youtube.com/watch?v=zzKjxKSMSRk&t=534s

 

兎に角、財政投融資を含めて39兆円の予算が組めたのは、この新型コロナ肺炎COVID19が何ヶ月も続かないという予想があったのではと思う。何ヶ月も続いたのなら、財務省も動かず、日本の経済は完全につぶれてしまうだろう。

 

そこで、これまでのCOVID19の確認者、死亡者、回復者の其々人数のデータから、以前に韓国で行ったような、この疫病終焉の時期が予測出来ないかやってみた。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12587773150.html

 

結果は、何も分からないというしかないのだが、ドイツのケースとともにそれを示す。尚、予め断っておきたいことは、私はこの種の統計の専門化ではないことである。理系の元研究者であり、以下に示すのは、簡単な数値解析の結果である。

 

1)ドイツのケース;

 

下の図は、ドイツの致死率(1)と致死率(2)のグラフである。致死率(1)とは、既に死亡か回復かの結論が出た人数での死亡者の割合、致死率(2)とは、確認された人数に対する死亡者数の割合である。図中にもその定義を示した。

横軸は3月17日をゼロとした経過日数である。最初の高い致死率(1)は、疫病流行が始まった直後、検査数が少なく、死亡者と重症者のみが感染者として確認されたからである。検査体制が整った時、急激に検査数を増加させていることが、3月24の急降下でわかる。

 

この致死率(1)の急降下は、韓国でも同じ様にみられている。3月30日の記事に書いた様に、韓国ではこの急降下は、3月15日頃と、23日頃に起こっている。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12585840544.html

 

4月に入って、韓国では致死率(1)は順調に減少しており、中国を覗いて世界で一番、COVID19の流行が終わるだろう。ただし、それは単に第一波の終焉かもしれない。

https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12587773150.html

 

兎に角、直線近似ができれば、それを延長して致死率(1)と致死率(2)が一致する点が、疫病流行の終わる予測の日時である。ドイツでは恐らく、5月上旬から中旬と予想される。勿論、多くの感染国に囲まれているので、安易な予測は慎むべきなので、この結果はあまり重視して欲しくない。

 

韓国と異なり、ドイツに関するデータでは、致死率(1)に減少が見られない。これは、この様な大まかな分析においても無視できない感染者の流入があるからだろう。逆に韓国では、感染者の外国からの流入があまり無いのだろう。

 

2)日本のケース

 

同じ解析を日本について行った。データは日本政府のものではなく、ドイツのデータと同様、米国Johon Hopkins大のページからとった。結果を下に示す。

 

 

以前、一般的なケースについて簡単な計算をした時に論じたように、疫病蔓延が終結する際、致死率(1)は減少方向に動き、致死率(2)は増加方向に動く。その際、感染と平均的な死亡の間に2週間程度、死亡の時期と回復の時期の間に一週間程度の間隔があるとして、計算した。

 

それは、感染したのち一定期間の潜伏期を経て発病し、発病後、基礎疾患の有る人がかなり早期に死亡し、回復者はその後例えば1−2週間の闘病生活ののち退院することを、簡単にモデル化したのである。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12587988007.html

 

日本のケースでは、致死率の推移が、韓国やドイツのようにならないのは、感染テスト結果が、本当の感染者数の増減に関する情報を含まないからである。つまり日本の感染テストが、症状を訴えた人に対してではなく、既に発生した感染者と何らかの関わりがある人を中心に行ってきたからである。つまり、上記の解析からは全く予測は出来ないことになる。

 

因みに、点線矢印が示すのは、オリンピックの中止決定の日である。この日のあと、致死率(2)は減少を続けている。これは明らかに、感染テスト数が相当増加された結果だろう。致死率(1)が4月7日付近で山になっている。これは、何か発表されていない何かがあったのだろう。

 

尚、イタリアのケースでも致死率(1)は減少し、致死率(2)は増加する。そして、ドイツや韓国と同様のグラフが得られる。

 

以上、この分析は、感染テストが感染確認数を反映する場合には一定の有効性を持つが、日本のような特殊な国のデータでは役立たないことが分かった。

 

クラスターという言葉にこだわり、症状の無いものまでテストする一方、症状の極めて疑わしいケースでもテストしないという日本のやり方は理解できない。日本の保健所の所員は、このクラスターを洗い出すという作業で疲弊しているという。しかし、東京などの感染者では、今や殆どは、クラスター調査の延長上にある感染者ではない。

 

何時まで、馬鹿なことをやっているのか? このクラスターとかオーバーシュートという用語に主役を与えたCOVID-19対策は、もっと致死率の高いが感染力がそれほどでもない疫病にのみ使われるべき手法だと私は思う。

https://rcbyspinmanipulation.blogspot.com/2020/03/blog-post_16.html 

 

(編集あり、13時10分)

 

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