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2020年4月17日金曜日

新型コロナ肺炎: 命の選択をする日本政府

新型コロナの話ばかりで“うんざり”なのだが、仕方がない。今日言いたいのは、この病気が、世界に広がる政治の貧困を焙り出す役割を果たしていることに気づくべきだということである。災害でも疫病でも、しっかり考察すれば、福へのキッカケになりえる。「災い転じて福となす」である。

 

この病気に対する政治の色分けをすれば、非常にコントラストの強い地域となるのが東アジアだろう。中国、韓国、日本は、濃く汚い色であるという共通点はあるが、全く違った色の国々だろう。“汚い”とは、国民を平等に大切に扱わないという意味である。

 

日本の政府は明治以来一貫して、全体も細部も見えない愚老人が舵を取る国である。見えないし分からないのなら、若者に渡せば良いのに、不思議な自信を持って権力を握り続ける。戦前の近衛文麿や平沼騏一郎(補足1)の類である。平沼は、日米戦争になる前に、独ソ不可侵条約を見て、世界の政治を(何と!!)「複雑怪奇」と発言して、辞職したのである。          

 

今日言いたいのは、医者がコロナ肺炎だと疑い、且つ、本人も息苦しさや発熱に苦しみながら、PCR検査の希望を保健所に持ち込んでも、そのかなりの部分が断られ、結果として適切な治療を受けられないというのが日本の現状であること。(補足2)

 

日本の政府は、保健所にPCR検査の数を絞らせてことで、医療の崩壊を防いでいるというだろう。しかしそれは、「命の選択」という神にしか出来ないことなのである。非常時なら当然の策だと考え、その異常であるとの主張を黙らせる手段として「新型コロナ肺炎は従来の風邪と同じで、PCR検査でも従来型土着の風邪と区別できない」と主張するのが、昨日紹介した自民党の若手看板議員の一人、松田学氏である。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12589838716.html

 

日本政府のこの姿勢の本質は、国民の命の一部を切り捨てる政策である。その動機は、意地悪く読めば、経済優先そして年金の削減である。恐らく、厚生労働省や財務省の官僚が方針を決めているのだろう。そう思わなければ、一連の愚かなやり方の辻褄が合わないのである。

 

下図は年代別、結果別の感染者のグラフである。70代以上の年齢層に重症者や死亡者が多い。この図の30代以降の年令構成は、日本の人口構成に非常に近い。少ないPCR検査を、本当に病気に苦しむ人に割り当てて来たのなら、もっと60代以降の感染者数が大きく出る筈である。

 

https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/

 

このCOVID-19の特徴は、ICUから生還する確率が高いことだろう。従って、費用がかかるが、ICUを増やして、人工呼吸器やエクモと呼ばれる人工肺を用いれば、生還する命が相当ある。

 

韓国での患者数が日本を追い越すまでに、ダイヤモンド・プリンセス号での対応の悪さが国際的に批判された頃には、急いで負圧装置付きの感染者用ベッドの数とICUの数の増加に、数千億円レベルの予算を組むべきだった。

 

ただ、それはまともな国のまともな政治を考えての話である。もし、日本政府がそれらへの投資を惜しみ、年金額を削減したいという考えなら、COVID-19という中国の土か文化かしらないが、それが作り出した病気は、この国の中央に位置する人間にとって理想的な病気である。

 

「PCR検査をまともにやっていない」という国際的な非難は、なんとか元気な若者を対象に受けさせれば良い。それがクラスターを潰すという名目で、発病した者の周囲に居た元気な者を対象に行うPCR検査である。(補足3)

 

日本政府のこのやり方を、日本政府のトップである安倍晋三氏は知らない可能性が高い。官僚どもが、あのボケた爺さんの「専門家会議」とかいう不可思議な会議を作って、非民主的政策を進めているのである。

 

安倍さんには、最後には「コロナ不可解」と言って辞任する手段が残されているので、心配は無用と考えているのだろう。

 

年金財政を悪化させる老人たちの命は不要な命である。しかし、その巻き添えを食って、結構若い人も命をなくすだろう。経済優先のこの国の中枢は、一昨年10月ころから親中姿勢を取り出した日本政府の影の支配者たちは、「10万や100万死んだって、どうってことはない」と、毛沢東の国で学んだセリフ(補足4)の日本版を心の中で呟いているのか? そして、彼らも別の観点から、「災い転じて福となす」という言葉を思い出しているかもしれない。日本の大衆はおだやかでやさしい、まるで家畜のようだ。

 

補足:

 

1)男爵で最高位勲章勲一等旭日桐花大綬章の受賞者である。その方の甥の息子さんが、改憲して天皇元首を明記すべきだという主張をする「新憲法制定議員同盟」(自主憲法制定国民会議は非議員からなる同じ主張の団体)元副会長の平沼赳夫氏である。元自民党から多くの泡沫政党を渡り歩いで、自民党に戻った、元運輸、通産、経産大臣の平沼赳夫氏である。この国は末期がんである。

 

2)新型コロナウイルス感染が明らかになったテレビ朝日・富川悠太アナウンサーがメインキャスターを務める「報道ステーション」の公式ツイッターには、視聴者らからの質問や批判が相次いだ。その一つが、以下に引用の記事の表題“「PCRをスムーズに受けられた経緯を説明しろ」報ステ公式ツイッターに質問殺到”である。

https://news.yahoo.co.jp/articles/1b83eb1e80571b72af6b17b5583fe574835bbd8f

 

3)これまで日本は、クラスターを潰すという方針を取ってきた。これは、致死率の高いが感染力の弱い病気ほど有用な方法である。クラスターを潰すやり方と、有名人や有力なコネで保健所に持ち込まれたPCR検査の希望者を中心にして、検査を実施するやり方は、非常に不公平であるほか、無限の人的資源があるのなら別だが、後者の陽性率(クラスター以外の陽性率)が非常に高くなった段階で止めるべきである。感染が全体に広がったあとも依然として、クラスターを潰すという方法を採用しているのは、やはり上記の意地悪な見方が、正しい見方なのだろう。ひょっとして、同じ悩みの中国に教えられたのではないだろうか?

 

4)毛沢東は、大躍進運動と文化大革命で、数千万人の中国の一般人たちを死に追いやったと言われている。その大秀才による愚かな政治は、ワイルド・スワンという小説に描かれている。毛沢東の数字は二桁大きい。大地の面積も人物の大きさも2桁違うのだろう。

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