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2020年4月10日金曜日

新型コロナ肺炎:中国の日本国内でのプロパガンダ?

新型コロナ肺炎(COVID-19)のパンデミック以来、何度か訪問しているYoutubeチャンネルの最新動画を引用する。

【真実はどれ?】NYの新型コロナウイルス情報が混乱。医者、シングルマザー、陰謀論 という題の動画(動画①)である。https://www.youtube.com/watch?v=GDdaE-mbmCw

 

これまで何度か視聴した印象では、そのオーナーは相当知的な若者であり、配信された動画の文章は全て巧妙且つ緻密に論理展開されている。ただ、今回の動画は目標が目標だけに相当無理をして作っているようだ。しかし、コメントを見ると、そのゴリ押しはある程度成功しているようだ。結論をいえば、上記は在日中国人(多分)による中国政府のプロパガンダだと思う。私は一度書き込んだコメントを削除した。

 

以下の文章を読む前に、一度通しで上記動画を見て欲しい。そうでないと、以下の文章は理解出来ない可能性が高いと思う。

 

動画①では、自分の主張を代弁する動画(動画②)をまず紹介している。動画②は、所謂陰謀論的動画である。メディアで報じられている混雑した病院の状況を確かめるという目的の紹介のあと、整然とした街の様子や静かな病院の待合室の光景を見せる。そして、テレビで流されたューヨーク州知事が「30,000台の人工呼吸器が必要なのだ」と大声で主張する場面と伴に、混雑する病院内処置室の映像を流した。そして、その映像は数日前に英国のテレビにより、イタリアの様子を紹介する際に使われた映像であることを暴露する。https://youtu.be/HDADonD2bAU


更に、混雑した病院というテレビのニュースの翌朝、その病院の前の整然とした様子をみせる。ただ時刻の表示は見つからない。米国は異常に大騒ぎをしているという印象を視聴者に与えるのが目的だろう。それと対照的に、混雑した地下鉄の様子と、「人混みのサブウエイが感染を進めた可能性も」と言うスーパーを、フラッシュ的に挿入している。

 

つまり、政府の主張やテレビの報道は、ニューヨーク州のコロナ肺炎流行を過大に、そしてインチキ映像も利用して報道していると、”暴露”しているのである。

 

それを紹介する動画①の主は、ニューヨークでの悲惨な状況は、それが仮に真実としても、政府やメディアにより誇大に宣伝されていると、動画②を利用して、主張しているように思える。更に、米国政府とメディアは、其の悲惨な状況の原因が中国のデータ捏造であり、米国はその被害者であると虚偽の主張をしていると言いたいのだろう。(補足1)

 

彼は、自分の意見の代弁者として、動画②を利用しているのである。そして、動画②が陰謀論的な内容だとして、一定の距離を置きながら、他のニューヨークの悲惨な状況を配信する動画に疑いを投げかけることで、動画②の内容を支持している。巧妙なやり方である。(補足2)


それに利用されたのが、、ニューヨークで働く日本人女性医師の動画(動画③)と、ニューヨークの貧困層が多い地区に住む、日本人シングルマザーの動画(動画④)である。それらも動画①では其々短く紹介している。

動画③: https://www.youtube.com/watch?v=3zUKVcYtODk

動画④: https://www.youtube.com/watch?v=OHc8cfwn1ag&t=170s

 

動画③及び④の配信者たちは、これまで日本で報道されたニューヨークの悲惨な状況を紹介しながら、日本の人たちに覚醒を促しているように見える。彼女らは、等しく「現在の日本は3−4週間前のニューヨークに似ている」と警告している。

 

どちらも動画②に比べれば、金の掛け方も桁違いに小さく、質的に劣っている印象を与える。動画④は、既に数百万回視聴されているようで、其の異常な拡散には、マーケッティングを目論む隠れた力が存在する可能性があると、動画①の主は言う。(補足3)


 

彼は、動画②と動画③、④のどちらが本当のニューヨークなのかと並べながら、そこで、米国在住(ニューヨーク州以外)の義母(「僕の母」と自然に話しているが、スーパーで訂正がなされている)に聞いたという話を紹介する。ニューヨーク州ではないという逃げ道を用意しながら、現地に近いところに住む人の意見ということで、信憑性を補強している。

 

そして彼は、それらの情報を総括する様に、ニューヨークでの爆発的流行のモデルを提案している。つまり、最初に地下鉄などの混雑で一定程度に感染が広がり、その後の過去三週間ほどの間に、膨大な検査をして陽性者を大勢出し、その人達が病院に殺到したことで、更に、患者が爆発的に増えたというモデルである。つまり、大規模発生があったとしても、その大部分の責任は米国にあると言うのである。


このモデルが正当化されるのは、ニューヨーク州では、感染症患者と一般患者を一緒に扱っていることが必要条件である。このモデルにより、これまで紹介した動画②の内容と整合性があるように、巧妙に説明をしている。

 

その後の結論的な部分で、情報の分析方法について紹介している。その一つは、情報はその配信する人の目的や利益などを考えに入れて分析しなければならないという原則である。そして、その方式を適用すれば、アメリカのメディアとかアメリカ政府が、問題の深刻さを煽るように報道するのは、米国をコロナ肺炎の被害者とし、中国の初期の情報隠蔽などをその原因として攻撃するためだと、視聴者に教え込むのである。

 

彼は、自分が動画②の主張に(11:20)同意する訳ではないと言いながら、主要メディアや政府の発表を被告席におき、陰謀論動画の動画②を検事側の罪状報告のように扱っている。それで、自分は裁判官という公正な立場にいると主張している。

 

因みに、彼は良い言葉を教えている。既に言った言葉、「情報はその配信する人の目的や利益などを考えに入れて分析しなければならない」と、「信者になるな」という言葉である。何かを信じてしまうと、真実を俯瞰できないという。

(編集21:00;21:30)

 

補足:

 

1)私の考える事実は、街のある病院のある時間帯の混雑や静寂ではない。事実は、John Hopkins 大の発表している患者数、死者数、そして回復者数である。

 

2)確かに陰謀論の中には、真実が隠れていることも多い。米国では、月面着陸の嘘、9.11の嘘など、陰謀論の対象となることが多いが、真実の方が陰謀論に中に隠れて静かに表にでる時期をまっているのである。

 

3)テレビですぐに放映されるなど、話が出来すぎていると言いたいようである。その情況証拠的に、動画④の配信直後からの異常に大きい閲覧数(4−5日で700万回位と言っている)に言及している。素人ぽく作りながら、もっと大きな組織との連携作品だろうという疑いを視聴者に醸成したいのだろう。

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