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2020年3月24日火曜日

「厚労省の非公開文書」で明らかになった国民を誤魔化す日本政府の体質

新型コロナ肺炎(COVID-19)の報道に関連して、最近よく聞く言葉にクラスターとオーバーシュートがある。専門家会議という訳の分からない組織が作られ、それが大威張りでマスコミに登場して、連発している怪しげな英語由来の言葉である。それを怪しげに感じるのは私だけだろうか? (補足1)

 

その議論は補足に譲り、クラスターとオーバーシュートという言葉を用いて、国民を愚弄する政府厚労省の体質について書きたい。先ず言葉の意味だが、クラスターとは、何かが複数個、集団となった状態をいう。例えばある病気が集団(クラスター)で発生するには、いくつかのケースがある。今回の病気の場合、密集した換気の悪い空間、長時間にわたる人のあつまり、ウイルスをばら撒くタイプの保菌者が紛れ込み、近接することである。

 

専門家会議の人たちが、現時点でクラスターを何故重要視するのか、私にはわからない。「密集した換気の悪い空間で長期間の集合はやめよう」というのは、専門家会議が導き出すべき結論ではなく、感染症の疫学の常識である。そして、そのような場が発生すれば、現状どこでもクラスターは発生しうる。(補足2)

 

新型の感染症の場合、しかも国内への入った感染者が数人レベルなら、その数人を見つけ出して隔離するか、その数人から生じたクラスターを見つけて、一網打尽に感染者を隔離なり治療なりすれば、解決する可能性が高い。しかし、保菌者が数百人以上のレベルでどこにいるか分からない状況では、既存のクラスターに関係付けられる患者のみ、PCR検査の対象にして目を光らすことでは、感染者の増加の時定数(増加割合)を減少させる効果はない。

 

厚労省は、そもそも、”クラスター”と見ている把握済みの集団以外に、この病気の蔓延が既に大規模に起こっていることを隠しているだろう。その証拠が、日曜日のテレビ番組で大阪の吉村知事が公開した、厚労省の非公開文書である。(補足3)その文書では、3月28日〜4月3日にこのままでは大阪兵庫地区で、患者数が3374人(内重篤者が227人)になると予想している。しかし、3月20日での各感染者数の和は182人でしかない。https://www.sanspo.com/geino/news/20200321/sot20032116020018-n1.html

 

もし厚労省の発表している、3月20日の両府県の感染者数の和182人がほぼ正しいのなら、上記3/28~4/3の真ん中の3月31日に感染者数が3374人になるには、週に7倍、或いは、日に30%の割合で、患者数が増加することになる。(補足4)

しかし、これまでの発表数の推移を考えると、両府県の患者数の和の増加率は、1日に30%の増加よりはるかに少ない。つまり、3月20現在の発表数値182人は、実際の感染者数から大きく外れていることを、厚労省は承知している筈である。

 

もしそうなら、患者数が現在どんどん増加しており、ある時点で実際の数字を発表せざるを得なくなることを、厚労省は予測しているのだろう。出来ればそのようなことなく、誤魔化し通したい。そこで、秘密裏に地方自治体の知事にこっそりと、予測を打ち明けて、地方自治体の責任で強い規制をしてもらいたかったのだろう。

 

つまり、いよいよ正直に患者の大量発生を発表するときのために、オーバーシュートという言葉を準備したのだろう。オーバーシュートとは、「目標地点を行き過ぎる」という意味の英語、overshootである筈。しかし、どうも専門家会議の人の考えている意味ではない。何故、そのような不思議な言葉を使っているのかについて、語った人はテレビなどではいない。例えば、epidemiology(疫学) & overshootで検索しても、医療費の払い過ぎ位の意味の記述しか出てこない。専門家委員会が、国民を誤魔化すために用いた造語だろうと思う。(補足5)

 

日本では、外来語を用いて、誤魔化す人が多い。インバウンドとか、イノベーションとか、ロードマップとか、本当にバカみたいだ。

 

追補:(3月24日9:50)

現在、米国やヨーロッパ諸国で急激に患者数画増加している。しかし、その増加の速度は国により大きくことなる。下図は、治癒率の函数として示した患者数が倍増する日数である。文化的にも類似しているとすれば、治癒率が上昇するに従って、その日数は長くなる。(John Hopkins大のデータを用いた。治癒率は3月24日のデータ。倍増に要する日数は、今日の半分感染者数だった日付を推定し、計算した。)

観戦数が頂上付近では、おおよそ治癒率も50%程度になっているだろう。従って、この数値が4−5日の間はまだ、感染拡大の序盤戦だとも考えられる。

補足:

1)厚生労働省のホームページに「新型コロナウイルス感染症対策専門家会議」の解説がある。しかし、そこには設置とそこからの情報発信に関して、法的根拠は何もかかれていない。専門家に意見を聞くのは良いことだが、我々が選挙で選んだ人ではないのだから、政府の権威と専門家としての権威の二つを着て、偉そうに直接マスコミに意見を発表するのはおかしい。専門家会議の出した考えは、設置したのが厚労省の大臣なら、厚労大臣の言葉として国民あるいはそのメディアであるマスコミに情報を流すべきである。この件、1月23日のブログ記事にも書いた。https://rcbyspinmanipulation.blogspot.com/2020/01/blog-post_23.html

2)疾患クラスターとは、時間と地理の両方の点で、特定の疾患または障害が異常に高い頻度で発生することである。以下のような例文を見れば、その用途がわかる。つまり:イタイイタイと言って苦しむ不思議な病気のクラスターが発見され、調査の結果、ある鉱山から出る鉱毒が原因だと突き止められた。現在のCOVID-19の伝染に関して、専門用語「クラスター」を用いて解明することは、上記のように何もないだろう。歴史的に有名なクラスターは、ウイキペディアによると、1854年のロンドンでのコレラの集団発生がある。

3)もう一つの可能性は、吉村知事に極端な数値を見せて脅し、厳しい対策を知事の責任で取らせるための策略の可能性がある。

4)11日間で、患者数が182人から3374人に増加することから、指数関数を仮定して、簡単に時定数が求められる。

 

 

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